リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

G7広島サミットとW7のコミュニケはSRHRの達成を支持

G7広島首脳コミュニケより

G7広島首脳コミュニケ(2023年5月20日) (仮訳)

43. …略…我々は、安全で合法な中絶と中絶後のケアへのアクセスへの対応によるものを含む、全ての人の包括的なSRHRを達成することへの完全なコミットメントを再確認する。国内外において、ジェンダー平等及びあらゆる多様性をもつ女性及び女児の権利を擁護し、前進させ、守ることにコミットし、この分野における苦労して勝ち取った進展を損ない、覆そうとする試みを阻止するために協働する。…略…我々は、質の高いケアは、我々の社会 及び経済の機能において不可欠な役割を果たすが、そのジェンダー不平等な分配により ジェンダー不平等の主要な原因となっていることを認識する。

W7コミュニケより

W7 は、G7 首脳に次のことを要請する。
1.身体の自律と自己決定の行使をエンパワーし支援するプログラムに資金を提供する。包括的な SRHR、統合的な GBV の回避、保護、緩和サービスを実現し、あらゆる女性や多様なSOGIESC の人びとの権利を保護するための資金を増加し継続させる。市民社会主導の団体に対する、堅実で安定した持続可能な資金を確保し、交差性を認識した上で、特に疎外され脆弱な立場に置かれたコミュニティに対して資源を配分する。
2.多様な SOGIESC の人びとの支援を含む、GBV の予防、保護、訴追、緩和、対応のための法律の整備を確実に行う。オンライン加害、児童婚、早すぎる結婚、強制婚、同性愛嫌悪/トランス嫌悪に基づく暴力を含む、あらゆる形態の GBV のサバイバーと高リスクにさらされた人びとのニーズを対象とした、国際人権基準、法律、枠組みに沿った GBV に関する国内法、司法に基づく仕組みづくりを推進する。政策の計画、実施、監視、評価のプロセスを通じて、市民社会の有意義な関与を確実にする。
3.すべての人が包括的性教育CSE)と性と生殖に関する健康(SRH)ケアを受けられるようにする。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの不可欠な部分として SRH ケアの重要性を再度強調する。人道危機や緊急事態を含め、年齢、ジェンダーセクシュアリティにかかわらず、安全でユースに優しく、包括的で、権利に基づいた、性に対して肯定的で、恥の意識を抱かせない避妊、中絶、その他のSRH サービスへのアクセスを促進する。多様な SOGIESC の視点を取り入れたコミュニティベースのトレーニングやアウトリーチを通じて、学校内外で CSE を実施する。中絶の犯罪化や強制不妊手術など、SRHR に対する差別的で制限的な法律や政策を撤廃する。ICPD 行動計画、北京行動綱領、女性差別撤廃条約などの国際条約や協定に基づく SRHR への集団的努力と完全なコミットメントを再確認する。
4.すべての国において、すべてのジェンダーセクシュアリティの間の平等と衡平性を確保する。性的指向性自認に関する国連独立専門家の勧告を支持し、その実施、特に SOGI の非犯罪化や性的指向の矯正の禁止、不妊手術の強制、自認に基づいた法的なジェンダー認証の導入について国際的に提唱する。社会的・経済的障壁を取り除き、すべてのジェンダーセクシュアリティの間の平等と衡平を達成するために、差別と暴力から確実に保護されるようにする。教育、医療、住宅、雇用、職業、婚姻関係、子育て、その他の分野における機会均等と平等な社会参加に関する法律とその実施を強化し、差別的なジェンダー規範を強化する政策を撤廃する。