COVID-19の流行下での「困難な問題を抱える居場所のない 若年女性」の予期せぬ妊娠等に関する実態調査と 支援方策の検討に関する研究

新型コロナウイルス感染症流行下の自粛の影響－予期せぬ妊娠等に関する実態調査と女性の健康に対する適切な支援提供体制構築のための研究（研究代表者 安達知子）令和３年５月12日(水)記者懇談会

COVID-19の流行下での「困難な問題を抱える居場所のない 若年女性」の予期せぬ妊娠等に関する実態調査と 支援方策の検討に関する研究

特徴的な相談内容、コロナの影響と思われる相談内容

妊娠不安
 平時からあったと思われる避妊や妊娠に関連する不安の相談が増加
 微熱や月経の遅れが妊娠によるものかコロナによるものか鑑別できない
 受診を躊躇し経口避妊薬が手に入らなかったことによる妊娠不安
 親が家にいるため電話がしにくい

妊娠葛藤
 コロナで医療機関が大変な時に妊娠継続の葛藤について相談することを躊躇
 コロナ下であること、経済的不安により妊娠継続を躊躇
 受診の遅れにより妊娠週数が進んでしまった

DV・性暴力
 DV・面前DVのエスカレートによる家出
 夫が家におり逃げられない
 自粛や休業により加害者が家にいる時間が長くなり、被害が増悪
 相談窓口を装った犯罪団体からの売春強要
 元生活保護ケースワーカーを名乗る加害者からの性暴力

性虐待
 性虐待の頻度・内容のエスカレート
 自粛や休業により加害者が家にいる時間が長くなり、被害が増悪し、家出
 学校や公共施設の休止により逃げ場がない

経済的困窮
 電話代が払えなくなりFree Wi-FiからLINE電話で連絡
 家賃滞納、風俗の寮を追い出された、家出などにより、副次的に性暴力を受けた
 妊娠検査薬購入費用、受診費用（経口避妊薬などの費用含む）、中絶費用がない
 妊娠確認のための産科受診費用が払えず受診が遅れた
 出産費用を稼ぐため風俗で費用捻出を図った
 分娩予約金が払えない
 コロナ前は所得があったため、助産制度が適用されない
 親の失業、失踪、自殺未遂により、子どもが生活困窮または家出せざるを得なくなった
 経済的理由により妊娠継続を葛藤
 コロナによる経済的困窮で、特別養子縁組による赤ちゃん縁組を選択した
 特別養子縁組の待機の辞退

自粛・休校
 DVのエスカレート、夫が家におり相談できない
 自粛のため妊娠検査薬を購入しにいけない
 妊娠による受診や相談が不要不急の外出に当たるかどうかがわからない
 受診控えによる経口避妊薬や緊急避妊薬の

入手困難
 休校により家庭以外の居場所の喪失
 ネットカフェの閉鎖による居場所の喪失
 希死念慮が増加
 学校や公共施設の休止により逃げ場がない

その他
 医療機関で医療者がピリピリしており、妊娠関連の受診を躊躇
 未受診妊婦の同行支援時、コロナにより院内の密を防ぐため、付き添いを断られる
 県域をまたぎ地方まで支援に行けない