リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

保健規制当局が中絶薬ミフェプリストンの販売を承認:中絶薬へのアクセス改善で質の高い中絶ケアに一歩前進

アルゼンチンでミフェプリストンの商業化を認可

 アルゼンチンでは長い運動の末に、2020年に中絶が合法化されたが、以来、悲願であったミフェプリストンが2023年3月にようやく販売可能となった。ただの解禁ではなく、事前に国内製造と流通までしっかり準備して、あらゆる医療機関で使えるようにし、3月8日の女性デーに認可するという余裕ぶりであった。

Health regulator approves sale of abortion drug mifepristone - Buenos Aires Herald

以下、仮訳する。

 国家医薬品・食品・医療技術管理局(ANMAT)は、中絶薬ミフェプリストンの商業化を認可した。

 ANMATの決定は、2005年以来、世界保健機関(WHO)によって必須医薬品とみなされているこの薬へのアクセスを改善するための最新のステップである。ミフェプリストンは3月7日に承認され、保健省は3月8日の国際女性デーにこの決定を発表した。

 ANMATによると、今回の承認は2020年に成立した人工妊娠中絶法を遵守するための政府の努力の一環だという。

 ミフェプリストンはミソプロストールと併用して妊娠を終了させる。この組み合わせは妊娠63日間に97%の効果を発揮する。

 この認可は、ミフェプリストンが薬局やアルゼンチンの公共、社会保障、民間の医療システム全体で流通・販売できることを意味する。

 サンタフェ州の工業製薬研究所(LIF)がミフェプリストンの公的生産を開発しており、2022年にはブエノスアイレス州の保健省がラプラタ国立大学と生産に関する契約を締結した。

 国立保健省は2022年、REMEDIARプログラムを通じてミフェプリストンとミソプロストールの併用療法の配布を開始した。これは、全国の地方の性と生殖に関する健康プログラム、中絶を保障する保健所や病院を対象としたものである。

 政府によると、2020年12月30日に中絶が合法化された後、2020年から2021年にかけて、中絶に至る妊娠による妊産婦死亡率は40%減少した。内科的中絶、その他の中絶、特定できない中絶、中絶未遂」に関連する妊産婦死亡は、2020年の13人から2021年には9人に減少した。

以前の書き込みも参照。