リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶薬の基本

世界ではどんな扱いの薬なの?

「薬をのむだけで中絶ができる」と中絶観を大転換させた経口中絶薬(ミフェプリストン+ミソプロストール)は、世界でも大きな議論を招き、1980年代から安全性と有効性を確認する膨大な数の治験が行われてきました。


その結果、2005年に世界保健機関(WHO)の必須医薬品モデルリスト入り、2019年には同リスト中でも必須中の必須の薬のみが載る「コア(中核)リスト」入りしました。コアリスト入りの条件は、自己判断でのめるほど安全で、有効性が高く、安価であること等です。


2020年春、WHOがパンデミック宣言を発した時、国際産婦人科連合(FIGO)は、オンライン診療で中絶薬を自宅に届け、本人に服薬させる「自己管理中絶」を各国政府に奨励し、英国等で実施されました。1年後、実施国のデータを元に、FIGOは自己管理中絶を「プライバシーも守れる優れた方法、パンデミック以降も継続すべき」と声明を出し、2022年3月のWHO『中絶ケアガイドライン』でも、妊娠12週までなら本人が自己管理で使える薬とされました。