リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

持続性妊娠嚢に対するミソプロストール2回目投与後の薬による中絶成績

Randomized Controlled Trial Contraception. 2008 Oct;78(4):332-5. doi: 10.1016/j.contraception.2008.06.002. Epub 2008 Jul 11.

Medical abortion outcomes after a second dose of misoprostol for persistent gestational sac
Matthew F Reeves 1, Anupa Kudva, Mitchell D Creinin
Affiliation 1Department of Obstetrics, Gynecology, and Reproductive Sciences, University of Pittsburgh School of Medicine, Pittsburgh, PA 15213, USA.
PMID: 18847584 DOI: 10.1016/j.contraception.2008.06.002

仮訳します。

要旨
背景 超音波検査で持続性妊娠嚢(GS)が認められたため、薬による中絶後1週間の経過観察で2回目のミソプロストール投与を行った後の転帰を検討しようとした。

研究デザイン 薬による中絶レジメンに関する2つの無作為化試験に登録された女性の転帰を検討した。妊娠63日までの妊婦にミフェプリストンを投与し、その後ミソプロストール800mcgを24時間後、6~8時間後、または15分以内に経腟投与した。両試験の参加者は、治療開始から約7日後に、経膣超音波検査を含む評価のために再来院した。追跡調査時にGSが存在する女性を対象とした。GSが排出されなかった被験者には、2回目のミソプロストール800mcgの経腟投与が行われた。参加者は約1週間後に再来院し、治療から5週間後に電話で連絡を受けた。

結果 治療後11日以内に追跡超音波検査を受けた1972人の女性のうち、82人(4.2%)に持続性GSが確認され、このうち68人は2回目のミソプロストール投与を選択した。68人の女性全員が追跡評価のために再来院し、42人(62%)がGSを排出した。持続する嚢内に胎芽があった26人の女性では、妊娠性心活動(GCA)があった14人中5人(36%)、なかった13人中7人(54%)で排出が起こった(p = 0.45)。GCAを認めた14例のうち、追跡調査時にGCAを認めたのは5例(36%)のみであった。

結論 薬による中絶後にGSが持続する女性の半数以上が、2回目のミソプロストール投与で治療した場合、妊娠を排出する。心拍動を伴うGSを有する女性の3分の1が、2回目のミソプロストール投与でGSを排出することから、2回目の投与は妥当な選択肢である。