リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

人権とは何か?

国連人権高等弁務官事務局の定義


国連人権高等弁務官事務局の「What are human rights?人権とは何?」を仮訳する。
ちなみにサブタイトルは:
人権は、国籍、性別、出身国や民族、肌の色、宗教、言語、その他いかなる地位にも関係なく、私たちすべてに固有のものである。
What are human rights? | OHCHR

以下に続く説明文を仮訳する。

 人権とは、単に私たちが人間として存在するがゆえに有している権利であり、いかなる国家によっても与えられるものではない。これらの普遍的権利は、国籍、性別、出身国や民族、肌の色、宗教、言語、その他いかなる地位にも関係なく、私たちすべてに固有のものである。最も基本的な権利である生存権から、食糧、教育、労働、健康、自由に対する権利など、生きがいをもたらすものまで多岐にわたる。

 1948年に国連総会で採択された世界人権宣言(UDHR)は、普遍的に保護されるべき基本的人権を定めた最初の法的文書である。2018年に70年目を迎えたUDHRは、すべての国際人権法の基礎であり続けている。その30条は、現在および将来の人権条約、条約、その他の法的文書の原則と構成要素を提供している。

 UDHRは、市民的及び政治的権利に関する国際規約と経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の2つの規約とともに、国際権利章典を構成している。


普遍的かつ不可侵
 人権の普遍性の原則は、国際人権法の礎石である。つまり、私たちは皆等しく人権を享受する権利があるということである。UDHRで初めて強調されたこの原則は、多くの国際人権条約、宣言、決議で繰り返し述べられている。

 人権は不可侵である。特定の状況下において、正当な手続きに基づく場合を除き、人権を奪うべきではない。例えば、裁判で有罪とされた場合、自由権は制限されることがある。


不可分かつ相互依存
 すべての人権は不可分かつ相互依存的である。 つまり、ある権利のセットは、他の権利なしには完全に享受することができない。例えば、市民的・政治的権利を進展させることは、経済的・社会的・文化的権利の行使を容易にする。同様に、経済的、社会的、文化的権利を侵害することは、他の多くの権利に悪影響を及ぼす。


平等と非差別
 UDHR第1条にはこうある。 「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等である。第2条で規定されている差別からの自由は、この平等を保障するものである。

 非差別は、すべての国際人権法を横断している。この原則はすべての主要な人権条約に存在する。人種差別撤廃条約女性差別撤廃条約である。


権利と義務の両方
 すべての国は、9つの中核的人権条約のうち少なくとも1つと、9つの選択議定書のうち1つを批准している。80%の国は4つ以上を批准している。これは、国際法の下で、各国が人権を尊重し、保護し、履行する義務と義務を負っていることを意味する。

 尊重の義務とは、国家が人権の享有を妨げたり、抑制したりしないことを意味する。
 保護する義務は、人権侵害から個人や集団を保護することを国家に要求する。
 履行義務とは、基本的人権の享有を促進するために、国家が積極的な行動をとらなければならないことを意味する。
一方、個人として、私たちには人権を享有する権利があるが、同時に他者の人権を尊重し、そのために立ち上がるべきである。