リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

学校は「産む機械」の工場

讀賣新聞【独自】不妊予防支援、健診項目の見直し検討…月経痛など追加 2021/06/21 05:00

 政府が近く取りまとめる不妊予防支援対策の全容が20日、判明した。月経痛など女性の不調の支援として、自治体や学校などが行う健康診断の関係項目の追加を検討することや、養護教諭産業医らの研修を強化することなどが柱だ。生理前の不調(PMS)に悩む女性アスリート対策も盛り込んだ。

首相官邸
 菅内閣少子化対策の一環として、不妊治療への助成拡充や保険適用化を打ち出している。これに加え、女性特有の様々な体調不良について相談・診療しやすい環境を整備することなどで、不妊対策の底上げにつなげたい考えだ。


 月経痛は、不妊の原因となる子宮内膜症子宮筋腫に伴って起きることがある。厚生労働省によると、20~30代の女性約800万人が月経痛に苦しんでおり、早期発見や重症化予防などの重要性が高まっているという。


 具体的な対策として、自治体や企業などが実施する健診で約20項目用意されている標準的な質問の中に、月経痛や生理前の不調などに関する項目を盛り込む検討を行う。健診項目を充実させることで、早期発見につなげ、産婦人科などに相談しやすくする狙いがある。

これに対して宋美玄は次のコメントで応じた。
学校は「産む機械」の工場? 健診で不妊予防の気持ち悪さ | ヨミドクター(読売新聞)

思春期の頃に、学校で女性特有の不調についてしっかりとした知識を得る機会があるというのは本当に素晴らしいことです。

 しかし、このニュースには「不妊予防」という違和感のある言葉が付いていました。厚労省が学校健診で月経痛の子供をすくい上げ、医療機関の受診につなげる理由は、「月経痛の裏には、不妊の原因となる子宮内膜症子宮筋腫が隠れていることがあり、それらを早期発見して、重症化を予防し、将来の不妊を予防するため」ということなのです。

 そう言われると、「女性特有の健康課題について知ってもらって診療につなぎ、痛みなどの不調を改善して健康で快適な人生を送ってもらおう」というのが目的ではなく、学生のうちから、「将来、子を産む能力に支障が出ないようにチェックするのが最終目的」ということなのね、と受け取れます。これではまるで、学校は「産む機械」の工場ですよね。