リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

トランスジェンダーが暴力犯罪の被害に遭う確率はシスジェンダーの4倍以上

School of Law, Williams Institute, UCLA

Transgender people over four times more likely than cisgender people to be victims of violent crime - Williams Institute

仮訳します。

UCLAロースクールのウィリアムズ研究所による新しい研究によると、トランスジェンダーは、レイプ、性的暴行、加重暴行、単純暴行などの暴力被害を経験する確率が、シスジェンダーよりも4倍以上高い。さらに、トランスジェンダーがいる世帯は、シスジェンダーの世帯よりも財産被害率が高かった。

研究者らは、2017年と2018年の全米犯罪被害者調査のプールデータを分析した。この調査は、回答者の性自認と出生時に割り当てられた性別に関する情報を含む、初の包括的かつ全米を代表する犯罪被害データである。

その結果、トランスジェンダーの女性も男性も、シスジェンダーの女性よりも暴力被害に遭う割合が高かったが、トランスジェンダーの男女間には差がなかった。

「メディアは、2020年に増加した有色人種のトランスジェンダー女性の殺人事件に当然注目しています」と、ウィリアムズ研究所の提携研究員である筆頭著者アンドリュー・R・フローレスは言う。"我々の研究は、トランスジェンダーの女性も男性も、非致死的な身体的・物質的被害に対して非常に脆弱であることを示している。"

主な調査結果

トランスジェンダー(16歳以上)は、シスジェンダーの4倍以上の頻度で被害を受けている。2017年から2018年にかけて、トランスジェンダーは1,000人あたり86.2件の被害を経験したのに対し、シスジェンダーは1,000人あたり21.7件であった。
トランスジェンダーの女性と男性は、シスジェンダーの女性と男性(1,000人当たりそれぞれ23.7人と19.8人)よりも暴力被害の割合が高かった(1,000人当たりそれぞれ86.1人と107.5人)。
被害を受けたトランスジェンダー女性の4人に1人が、その事件をヘイトクライムだと考えていたのに対し、シスジェンダー女性は10人に1人以下だった。
2017年から2018年にかけて、トランスジェンダー世帯の財産被害率(1,000世帯あたり214.1人)は、シスジェンダー世帯(1,000世帯あたり108人)よりも高かった。
暴力被害の約半数は警察に報告されていない。トランスジェンダーは、シスジェンダーと同様に警察に暴力を報告する傾向があった。
「ウィリアムズ研究所の公共政策特別上級研究員であるイラン・H・マイヤー氏は、「被害経験が、自殺願望や自殺未遂を含む幸福度の低さに関係していることは、これまでの研究で明らかになっています。「この結果は、トランスジェンダーの人々が経験する高い被害率を考慮した、効果的な政策と介入策の緊急の必要性を強調している。

報告書全文はレイチェル・ダウド(dowd@law.ucla.edu)まで。

調査について

報告書「犯罪被害における性自認の格差(Gender Identity Disparities in Criminal Victimization)」: National Crime Victimization Survey, 2017-2018」はAmerican Journal of Public Healthに掲載され、Andrew R. Flores, Ph.D., Ilan Meyer, Ph.D., and Lynn L. Langton, Ph.D., Jody L. Herman, Ph.D.の共著である。