2023年12月17日 5時00分公開 24時間を過ぎたら有料枠に入ると思われます
(フォーラム)望まぬ妊娠の責任:3 女性たちの声:朝日新聞デジタル
有料記事ですが、私の発言部分だけ引用させて頂きます。
■ThinkGender ジェンダーを考える
避妊、妊娠、中絶、出産、子育てにいたるまで、負担と責任を一方的に負わされることの多い日本の女性たちは、現状についてどう考え、何を必要としているのでしょうか。フォーラム面のアンケートに回答いただいた人たちに、自身の経験や思いを聞きました。
中略
私は大学生のときに妊娠し、中絶しました。罪悪感に苦しみ、心身の不調を長く抱えました。その後、30代後半で娘を出産し、「この子が大人になるまでには中絶が女性に大きなマイナスの影響を与える社会を変えたい」と、大学院に進学して研究してきました。
ここ数年、国際社会は「性と生殖に関する健康と権利」を尊重する中で、女性が安全に中絶する権利を守る方向に変わっています。
カトリック信者が多数派を占めてきたアイルランドでは、2018年に国民投票で中絶を合法化するという出来事がありました。世界保健機関(WHO)が22年に更新した中絶ケアガイドラインでは、必要とする全ての人が正確な情報を入手でき、経口中絶薬などにアクセスできるようにすることを推奨しています。
一方、日本では堕胎罪があり、いまだ中絶手術の過半数で掻爬(そうは)が使われています。
見えてくるのは、日本では女性が自分の体について決める権利が当たり前のものとして認められていない、ということです。
中絶を悪いことと考える意識も根強くあります。私自身、自分を責めてきました。自分の意思で中絶したと思ってきたけれど、相手の都合を考え、「仕方がない」と選ばされたのではなかったか。そう気づき、自分の人生を完全に肯定できるようになったのは最近のことです。
自分の体の自由と安全が守られていること。民主国家では当たり前であり、保障するのは国の責務です。どう生きていくかを非難されず一人一人が選べ、尊重される社会に。声を上げ続けなければならないと思っています。(聞き手・山田佳奈)