リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

なぜ少子化なのに「発達障害の子供」が増えているのか

PRESIDENT Online 2024/02/10 16:00

なぜ少子化なのに「発達障害の子供」が増えているのか…特別支援学校の校長が語る「生きづらさ」の正体 「ちょっと変わった子」が少しずつ排除されている | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

なぜ少子化なのに「発達障害の子供」が増えているのか…特別支援学校の校長が語る「生きづらさ」の正体
「ちょっと変わった子」が少しずつ排除されている
黒坂 真由子 編集者、ライター
東野 裕治 大阪府立羽曳野支援学校校長

1頁目で次を指摘。

 文部科学省の資料(令和3年9月27日「特別支援教育の充実について」)では、義務教育段階の子どもの数は、2009年度に1074万人だったのが、2019年度には973万人。10年間で9.4%の減少です〔取材時(2022年8月)の最新データ〕。
 一方で、「特別支援教育」を受ける子どもの数は、同じ時期に25万1000人から48万6000人と、約2倍になっているんです。


2頁目で納得した。

【東野】それは、より充実した「教育サービス」を求めて特別支援学校を選ぶ保護者が増えているからです。あとは、やっぱり世間が厳しくなったからだと思います。

【黒坂】世間が厳しくなったというと……。

【東野】昔は「ちょっと変わった子」が周りにいるのは、許容範囲のうちでした。「ダメな子」がいても、ごまめ(小魚を意味する方言)みたいな扱いで、みんな一緒に遊び、育ったものです。大きくなってからも、農作業の手伝いなど、地域のなかで何かしら役割が与えられていたと思います。だから、あまり問題にならなかったのでしょう。

【黒坂】なるほど。統計の数字を見るだけではわからないことがありますね。発達障害などを理由に特別支援教育を選ぶ子は統計上、確かに増えている。だからといって、発達障害そのものが増えているとは言い切れない。

【東野】そこから、新たな逆転現象も生じているんです。

【黒坂】新たな逆転現象とはなんですか?

【東野】普通校の支援学級にいた中学生が、普通高校に進学するケースが増えています。文部科学省の統計によれば、2011年(平成23年)に支援学級を卒業した生徒の7割近くが、特別支援学校の高等部に進学していて、普通高校に進学する生徒は3割もいませんでした。しかし、徐々に普通高校に進学する生徒が増えて、ついに2020年、逆転しました。2021年には、特別支援学校に進学した生徒は4割ほど。半分以上が普通高校に進学しています。

支援学級から普通校に進学する子どもが増えている
【東野】以前は支援学級に通っている子どもにとって、普通高校の入試を受けて合格することが難しかったので、特別支援学校の高等部へ進学していたわけです。それしか選択肢がなかった、ともいえます。

【黒坂】それが、今は通常学級の中学生と同じように受験をして普通校に進学できるようになった。

【東野】ええ。子どもが少なくなって、入学試験のハードルが下がったということもあると思います。それに加えて、親御さんたちには、子どもをなんとかして大学へ行かせたいという気持ちが強いんです。今、高校を卒業してすぐに働く子はすごく少ないんですよ。

大学や短大、専門学校など「高等教育機関」への進学率は83.8%です(文部科学省「学校基本調査(令和3年度)」)。専門学校も含めると、8割以上の子は、20歳ぐらいまでは働かないわけです。すると保護者にしてみれば「障害のあるうちの子が、なんでわざわざ18歳から働かなければならないのか」と思えてしまう。