リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

安倍元首相の国連総会一般討論演説(2013年9月26日)

Address by Prime Minister Shinzo Abe, at The Sixty-Eighth Session of The General Assembly of The United Nations, Thursday, September 26, 2013

https://japan.kantei.go.jp/96_abe/statement/201309/26generaldebate_e.html

仮訳する。

国連総長
皆さん、

 すべては、日本の真の実力と経済をもう一度強化することから始まるだろう。日本の成長は世界に利益をもたらす。日本の衰退は世界中の人々の損失となる。

 では、日本はどのように成長を目指すのか。成長の要因であり成果でもあるのは、女性の力を結集することである。

 女性の社会進出が進めば進むほど成長率が高まるという「ウーマノミクス」という理論がある。

 女性が働きやすい環境を整え、女性が働き、社会で活躍する機会を増やすことは、もはや日本にとって選択の問題ではない。それどころか、緊急の課題である。

 私は「女性が輝く社会」を目指すと宣言し、日本の国内構造を変えるべく活動してきた。しかし、それは単に家庭内の問題にとどまらない。それが日本の外交を導く糸にもなっていることを述べたい。

 まずはじめに、日本が国際社会の中で主要なメンバーであり続けるために、4つの貢献をしていることを述べたい。

 第一に、日本はUN Womenの活動を尊重し、その主要な貢献国のひとつとなり、この分野における模範的な国となることを目指す。また、関連国際機関とも緊密に連携していく。

 第二に、他の志を同じくする国々が既に実施しているように、日本もまた、草の根レベルで活動する人々と協力して、女性と平和、安全保障に関する国家行動計画を策定する意向である。

 第三に、日本はUN Womenだけでなく、国際刑事裁判所や、紛争下の性的暴力に関する国連事務総長特別代表のザイナブ・ハワ・バングラ女史の事務所とも緊密に協力していく。

 21世紀の今もなお、武力紛争時に女性に対する性的暴力が絶えないことは言語道断である。我が国は、このような女性に対する犯罪を防止し、不幸にして被害者となった方々を物心両面で支援するために全力を尽くす。

 第四に、国連婦人の地位委員会の次回会合に、自然災害において被害を受けやすい女性に配慮した決議案を改めて提出する。二年前に大きな自然災害を経験した日本としては、この決議案への賛同を得たいと考えている。

次の部分で、日本はUHCが達成されたとしている。

 日本は、個人を総合的に扱うアプローチの方が、より広範な保健上のニーズに応えることができると考えている。これが、日本がTICAD Vを機にユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進を決定した理由である。

 アフリカ地域の保健問題に取り組むため、5億米ドルを準備し、現在、12万人の保健・医療サービス提供者のための研修の立ち上げに注力している。

 すべての人に医療を UHC」の3文字に人間味を与えているのは、具体的には佐藤ミズのように、惜しみなく地域社会に入り込んでいく人々であることは間違いない。

 2人目に紹介するのは、2児の母であるバングラデシュの若き女性、ミズ・ニルファ・ヤスミンである。彼女の肩書きは "ポリグルレディ "だ。

 「ポリグル」とは、日本に豊富にある食品から生まれたメイド・イン・ジャパンの浄水剤だ。濁った水に入れるだけでいい。ポリグルは吸着剤として働き、水中の余分な物質に付着し、沈殿物として底に落ち、水は透明になる。

 最初に正しい使い方を教える必要があり、彼女たち "ポリグルレディ "が販売員兼インストラクターとして活躍している。

 このように、BOPビジネスと呼ばれるように、女性の力が期待されているのが特徴だ。ニルファさんは夫の収入と合算することで、子供たちを高等教育へ進学させることができるようになった。

 貧しさゆえに「いつか医者になる」という幼いころの夢をあきらめたこともあった彼女。しかし今、彼女は胸を張って "きれいな水の医者 "になったと言う。彼女は自尊心という最も貴重な財産を手に入れたと言えないだろうか。

 わが政府は、一人でも多くのミズ・ニルーファを輩出したいと願っている。ところで、ポリグルを作っているのは、日本のとても小さな会社だ。我々は、そのような企業や団体への支援を強化し、彼らのアイディアが実を結ぶよう努力するつもりである。


国連総長
そして本日お集まりの皆さん、

 最後に、もう一人紹介したい女性がいる。しかし、このアフガニスタンの女性はもうこの世にいない。彼女の名前はイスラム・ビビ、今年の7月4日に銃で撃たれ、暗殺された。37歳、3人の子供がいる。

 アフガン警察の誇り高き女性警察官--それが彼女だった。彼女は9年間の勤務を通して重責を担うようになった。選挙を監視するために投票所を警備した。後に続く若い女性警察官の教育係でもあった。

 やるべきことはたくさんある。しかし、私たちは臆することなく前進しなければならない。

 日本は「アフガニスタン法秩序信託基金」を通じて、アフガニスタン警察の能力向上と女性警察官の育成に尽力してきた国のひとつである。ミズをこれ以上出さないためにも、支援を続けていかなければならないと決意を新たにした。


国連総長
みなさん、

 私がバングラデシュニルファさんの実例を通して強調したかったのは、女性の社会参加を促進し、女性のエンパワーメントを図ることの必要性である。

日本政府はこれを最重要政策分野と位置づけており、アフリカでのスタートアップ・ビジネスの立ち上げなど、創意工夫に富んだ取り組みを続けていく。

 日本の援助専門家であるミズ佐藤時子が行動を通して訴えてきたのは、母子保健の重要性である。この分野はMDGs達成の遅れが目立つ。

 私の政権では、第二の重点政策として、女性の保健・医療分野への取り組みを強化していく。

 最後に、イスラム教徒ビビさんの悲劇的な例を通じて私が伝えたかったことは、平和と安全の分野における女性の参加と保護の重要性である。

 日本は、紛争の予防と解決、平和構築を含むあらゆる段階において女性の参加を確保し、紛争時に危険にさらされる女性の権利と身体の健康を守るための施策に努めていくつもりである。

 この3つの柱を確立するにあたり、日本政府は今後3年間で30億米ドルを超えるODAを実施し、これらの柱をターゲットとすることをここに表明したい。


国連総長
皆さん、

 最後に、先ほどの "ウーマノミクス "の知恵に従えば、女性の力を育むという開発コンセプトは、世界に平和と幸福をもたらすだろう。

 日本国内だけでなく、紛争地域や貧困に苦しむ国々でも「女性が輝く社会」を実現したい。決して楽観視はしていない。しかし、ひとつだけわかっているのは、私の国、日本には、そのために惜しみなく努力している人たちが相当数いるということだ。

 彼女らは、皆さんと一緒に仕事ができるよう、あらゆる努力をしている人たちなのだ。

 ありがとうございました。

なんとまぁ、しらじらしい……。