リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アングル:中絶の権利認めない米最高裁判断、立役者はトランプ氏

ロイター

[ワシントン 24日 ロイター] - 退任から17カ月を経た24日、トランプ前米大統領は選挙公約の実現を果たした。同氏の指名人事により保守派が過半数となった米連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したのだ。


 退任から17カ月を経た24日、トランプ前米大統領は選挙公約の実現を果たした。同氏の指名人事により保守派が過半数となった米連邦最高裁が、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したのだ。写真は2020年1月、デモ行進する中絶反対派のグループ(2022年 ロイター/Kevin Lamarque)
 今回の判決は、米国の裁判所の保守化を狙った組織的で資金豊富な数年がかりの保守派運動にとっての勝利でもある。法曹活動家や、上院のマコネル共和党院内総務の巧みな政治的駆け引きの後押しもあった。

 トランプ氏は在任中の2017年にニール・ゴーサッチ氏、18年にブレット・カバノー氏、20年にエイミー・バレット氏の計3人の保守派裁判官を最高裁判事に指名。16年の就任時にはリベラル派が4人、保守派が4人と拮抗していた最高裁のバランスは、トランプ氏の離任時には保守派6人、リベラル派が3人と、保守派の優勢が固まっていた。

 今回の判決では、これら3人の判事はいずれも「ロー対ウェイド」判決を覆す多数意見を支持した。

 トランプ氏は、民主党ヒラリー・クリントン候補を相手にした16年の大統領選候補者討論会で、「ロー対ウェイド」判決を覆す判断をする最高裁判事を指名すると約束していた。

 「もし2人か3人判事を指名できれば、(同判決を覆す判断は)自動的に出てくるだろう。私はプロライフ(人口妊娠中絶に反対)の判事を指名するからだ」と、当時トランプ氏は表明。こうした姿勢は保守派のキリスト教有権者の支持を集め、同氏の政権の重要な支持基盤ともなった。

 今回の最高裁判決を受け、トランプ氏は「ライフにとって近年最大の勝利である今日の判断が実現したのは、尊敬を集める立憲主義の判事3人を最高裁判事に指名して就任させたことを含め、私が自分の公約を全て約束通り実現したからだ。非常に誇りに思っている」との声明を出した。
(後略)

バイデン大統領のコメントだけおまけ。

判決を受け、バイデン大統領は「ドナルド・トランプという一大統領が指名した3人の判事が、司法をひっくり返し、この国の女性の基本的権利を消す内容の今日の判断の中心にいた」と述べ、トランプ氏の役割を認めた。

ロー対ウェード判決 中絶巡る米最高裁判断、49年ぶり覆る

日本経済新聞 2022年6月26日 7:34

きょうのことば ビジュアル用語解説

ロー対ウェード判決 中絶巡る米最高裁判断、49年ぶり覆る - 日本経済新聞


中絶に反対するグループは最高裁判決後に喜びを爆発させた(2022年6月24日、米ワシントン)
▼ロー対ウェード判決 米国でそれまで多くの州で違法とされていた人工妊娠中絶をはじめて憲法上の権利として認めた判決。連邦最高裁が1973年に判事9人中7人の多数意見として、中絶を犯罪とした当時のテキサス州法などに対し「憲法で保障されている女性の権利を侵害している」などとして違憲判決を下した。

判決はテキサス州在住の妊婦ノーマ・マコービーさんが「ジェーン・ロー」の仮名で、同州のヘンリー・ウェード地方検事と裁判で争ったことからこの名前となった。マコービーさんは訴訟当時、レイプ被害で3人目の子どもを妊娠していた。

判決後も国民の意見の一致にはいたらず、中絶支持派「プロチョイス」と反対派「プロライフ」が米国を二分する論争を繰り広げている。最高裁は2007年に、米ブッシュ政権が後押しして成立した妊娠後期の人工中絶を禁止する法律を合憲とする判決を出すなど妊娠中絶の一部禁止を合憲とする判決を既に出している。

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JSOG:『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ普及推進宣言』について

日本産科婦人科学会の宣言

更新日時:2022年7月15日
『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ普及推進宣言』について|公益社団法人 日本産科婦人科学会

文面も貼り付けておく。

『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ普及推進宣言』


 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスとは、性と生殖に関する機能と活動過程のすべてにおいて、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であることを指します。そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ライツとは、すべてのカップルと個人が性と生殖に関して自己決定でき、そのために必要な情報や手段などを得ることができる権利です。この二つの概念は Sexual Reproductive Health / Rights(SRHR)として表現されます。


 日本産科婦人科学会は、SRHRに関する活動方針を以下のように宣言するとともに、産婦人科医へのSRHRに関する研修の充実に努めます。


① セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスがすべての個人に確保されること、そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ライツが基本的人権の一部であることを基本認識とします

② セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスの向上と、セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの確保を本会の基本方針の一つとし、わが国及び世界におけるSRHRに関する課題に対して積極的に関わります

③ SRHRの普及推進に尽力することで、わが国の社会のジェンダー平等の達成に貢献します


④ SRHRの侵害を含む、ジェンダー平等を阻害する課題が提起された場合には、専門学会として正面から対応します


2022年6月25日

公益社団法人 日本産科婦人科学会 リプロダクティブ・ヘルス普及推進委員会

まずは「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」と表現する間違いを学んでほしい。ただのリップサービスではなく、「基本的人権」や女性のSRHRの中身がいったい何であり、どういった法で守られているのか、そのために自分たちにはどのような責務があるのかなども、ちゃんと理解していてほしい。

『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ普及推進宣言』

日本産科婦人科学会の宣言(2022年7月15日公開)

『セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ普及推進宣言』


 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスとは、性と生殖に関する機能と活動過程のすべてにおいて、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であることを指します。そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ライツとは、すべてのカップルと個人が性と生殖に関して自己決定でき、そのために必要な情報や手段などを得ることができる権利です。この二つの概念は Sexual Reproductive Health / Rights(SRHR)として表現されます。

 日本産科婦人科学会は、SRHRに関する活動方針を以下のように宣言するとともに、産婦人科医へのSRHRに関する研修の充実に努めます。


① セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスがすべての個人に確保されること、そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ライツが基本的人権の一部であることを基本認識とします

② セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスの向上と、セクシュアル・リプロダクティブ・ライツの確保を本会の基本方針の一つとし、わが国及び世界におけるSRHRに関する課題に対して積極的に関わります

③ SRHRの普及推進に尽力することで、わが国の社会のジェンダー平等の達成に貢献します

④ SRHRの侵害を含む、ジェンダー平等を阻害する課題が提起された場合には、専門学会として正面から対応します


2022年6月25日

公益社団法人 日本産科婦人科学会
リプロダクティブ・ヘルス普及推進委員会

ローが覆され、米民主党は中絶闘争を11月の中間選挙に転じる

Reuters, June 25, 2022, 4:44 AM GMT+9, Last Updated 4 days ago

With Roe overturned, U.S. Democrats turn abortion battle to November

仮訳します
www.reuters.com
仮訳します

 2022年6月24日、米ワシントンで、ドブス対女性健康機構の中絶事件で、画期的なロー対ウェイド中絶判決を覆す判決が下され、米国最高裁の外で抗議する中絶権行使デモ参加者。REUTERS/Evelyn Hockstein


[ワシントン 24日 ロイター] - 民主党の有力議員らは、ロー対ウェイド裁判を覆した金曜日の最高裁判決を11月の選挙に向けた呼び水にしようとし、共和党が議会を再び支配した場合、女性や避妊、同性婚に深刻な影響が及ぶと警告している。

 保守派が多数を占める5対4の判決で、高等裁判所は1973年の画期的な判決を覆し、女性の中絶の権利を認め、ほぼ半世紀にわたって全国的に合法化してきた。


 この判決は、中絶反対派の共和党員やその他の保守派からは圧倒的な勝利として迎えられ、一方、民主党員や中絶反対派の活動家からは、アメリカ女性の権利に一歩逆行するものとして抗議の声が上がった。

 しかし、11月8日の中間選挙で下院と上院の支配権がかかっていることから、民主党は、共和党が議会を支配するようになれば、女性やその他の人々の権利がさらに危険にさらされるだろうと警告した。


 「共和党は全国的な中絶禁止を目論んでいる。そのために議会で多数派を占めることは許されない」と、民主党トップのナンシー・ペロシ下院議長が記者団に語った。

 「11月に過半数を獲得しなければならないのは明らかだ。カトリック教徒であるペロシ氏は、先月、人工妊娠中絶の権利を支持していることを理由に、サンフランシスコの大司教から聖体拝領を禁じられたのです。


 ロイター/イプソスの世論調査によると、民主党共和党過半数を含む約71%のアメリカ人が、妊娠中絶に関する決定は政府によって規制されるのではなく、女性と医師に委ねられるべきであると答えている。

 民主党は、最高裁の判決に対する有権者の怒りが、上下両院の支配力をぎりぎりの差で維持するのに役立つことを期待している。ジョー・バイデン大統領の支持率が低迷していることから、これまでほとんどの予想者は、少なくとも下院では共和党過半数を獲得する可能性が高いと見ていた。

 「この秋、Roeは投票にかけられる。個人の自由は投票にかけられます。プライバシーの権利、自由、平等がすべてだ」とバイデン氏は金曜日に述べた。

 民主党が中絶権のメッセージを利用して、どれだけ簡単に支持を動員できるかは不明であった。バイデン氏と民主党の仲間たちは、18ヶ月近くホワイトハウスと両院を支配してきたにもかかわらず、中絶、投票権、社会支出などの話題性のある問題で失敗を繰り返し、中心的支持者を失望させてきた。

 上院のフィリバスターを改革し、バイデンのアジェンダに対する共和党の反対を克服しようとする努力は、党内、特に民主党のジョー・マンチン上院議員とカーステン・シネマ上院議員の反対によって阻まれた。

 穏健な銃安全法の制定に成功した彼らも、強力な銃規制論者には刺激にならず、ロー対ウェイド裁判を覆す前日に銃の権利を大幅に拡大した最高裁判所の影響を2度にわたって受けた。

 上院院内総務のチャック・シューマー氏は、有権者民主党と「MAGA共和党」の間で明確な選択をすることになると述べ、ドナルド・トランプ前大統領の味方の頭文字を使った。

 「全国的な中絶の禁止、女性や医師の投獄、レイプや近親相姦の免除を望まないのであれば、もっとMAGA共和党を選ぼう。あるいは、ローを救うために、より多くのプロチョイスの民主党を選ぼう」とシューマーは声明で述べた。

 下院共和党はこの判決を歓迎し、"この国で中絶を終わらせる "ための道筋を堂々と語った。

 「最高裁Roe v. Wadeを覆したことで、あの欠陥だらけの判決を覆し、ついに州と議会が過去50年間決してできなかった方法で生命を守ることができるようになった」と下院共和党第2位のSteve Scalise議員は記者団に語った。

Reporting by David Morgan; additional reporting by Doina Chiacu, Katharine Jackson and Moira Warburton; Editing by Scott Malone and Alistair Bell
Our Standards: The Thomson Reuters Trust Principles.

SRH/HRPディレクター代理からのメッセージ

SRHRのないUHCは存在しない

Message from the SRH/HRP Acting Director

世界では中絶はセルフケアできるんだった!
元気が出ます。仮訳してみました!

SRH/HRPディレクター代理からのメッセージ
2022年6月22日 部内ニュース 読了時間 3分(840文字)
写真:クレイグ・リスナーCraig Lissner
UNDP・UNFPAユニセフ・WHO・世界銀行「ヒト生殖に関する研究・開発・研究訓練特別プログラム」を含むセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&リサーチ部門ディレクター代行


 6月24日から始まる「セルフケア月間」は、7月24日の「セルフケアデー」でクライマックスに達します。この象徴的な日は、セルフケアが「1日24時間/週7日」実践できることから選ばれましたが、プライマリーヘルスケア(PHC)の推進と万人のためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けて、セルフケア介入に対する保健システムの貢献というWHOの先駆的な取り組みの一側面を考える実践の機会にもなっています。

 WHOは、セルフケアを「健康増進、疾病予防、健康維持、病気や障害への対処を、医療従事者の支援の有無にかかわらず、個人、家族、地域社会が行う能力」と定義しています。この概念は、人々を健康管理における能動的な主体として位置づけています。セルフケアへの介入は、セルフケアを支援するツールなのです。


セルフケアによる自律とエンパワーメント
 セルフケアから得られる自律性とエンパワーメント、そしてセルフケア的介入の利用と取り込みは、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)の重要な要素です。注射による避妊の自己管理、妊娠やHIVの自己検査、HPVやその他のSTIの自己採取、血糖値や血圧の自己管理といった実証済みのセルフケア介入はすべて、人々が健康の可能性を最大限に発揮するために役立つことが知られています。

 ヘルスケアの課題と解決策が進化する中で、セルフケアによる介入は、健康のさまざまな分野にわたって、あらゆる人々の健康と幸福を向上させる最も有望な新しい方法の一つとなっています。健康増進から疾病予防と管理、セルフメディケーションリハビリテーションに至るまで、セルフケアによる介入は命を救い、人々が自分の健康をコントロールできるようになることを示す証拠があります。これは、これらの介入を利用する人々にとっても、それを利用できるようにする医療システムにとっても、エキサイティングなことです。

 健康、紛争、気候変動、その他の人道的危機が続く中、セルフケアへの介入はますます世界的に注目されています。COVID-19のパンデミックの際、世界各国は感染の拡大を食い止めると同時に、必要不可欠な保健サービスの混乱を軽減し、経済的混乱がもたらすより大きな影響に対処するという課題に直面した。同時に、保健医療システムは前例のないほど深刻な緊張を強いられました。その結果、各国は地域社会のネットワーク、仲間、家族、友人、隣人といった一般市民が、自分自身とお互いの健康を保つために不可欠な役割を果たすようになったのです。

 セルフケア介入は、最高の状態で、性と生殖に関する健康(SRH)サービスを、それを必要とする人々の近くにもたらし、すべての健康関連問題における最初の防衛線となるものです。セルフケアによる介入は、安全で支持的な保健システムのもとで、選択肢と選択を可能にします。これは、特にSRHRにおいて、スティグマや差別がアクセスの障壁となっている状況において有効です。


一人ひとりの避妊選択を促進する
 SRHにおけるセルフケア、エンパワーメント、選択の重要性は、『Contraception』誌のWHO Values and Preferencesに関する新しい特別付録で明確に示されています。研究者たちは、家族計画に関して人々が何を望んでいるのかについて、文献を調査しました。地域や人口動態によって大きな違いがある一方で、研究者たちは、選択肢、安全性、手頃な価格に対する普遍的な嗜好も特定しました。


包括的なセクシュアリティ教育を提唱する
 知識は力です。これはSRHの分野では真実であるが、この真実は多くの文脈で議論を呼び、若者とそのコミュニティに不利益を与えている。包括的セクシュアリティ教育(CSE)がいかに自律性と自己決定に不可欠であるかという証拠は、CSEに関するグローバル・パートナーシップ・フォーラムで重要な焦点となりました。WHOの職員は、専門家や同盟者と共に、あらゆる場所でより良い健康上の成果を得るために若者の主体性を適切に育成する実証済みの方法として、CSEの普及を支持したのです。


中絶医療へのアクセス
 性と生殖に関する健康と人権に関する選択と知識は不可欠ですが、保証されるものではありません。これには多くの課題が残されています。先月、WHO副事務局長のZsuzsanna Jakab博士は、ヘルスケアとしての中絶ケアへのアクセスを通じて、選択肢を強く提唱しました。「女性は自分の身体と健康に関して、常に選択する権利を持つべきです」と、SheDecidesの記念式典のために収録されたビデオで述べています。"これは基本的なことですが、女性の権利は脅かされ続けています。"

SRHRのないUHCは存在しない
 私たちは、SRHとUHCの関連性を明確にすることで、前途を切り開くために取り組んでいます。7月には、より広範なUHC関連の改革の中で、プライマリーヘルスケアのアプローチを通じて、包括的なSRHサービスへのアクセスを実現するための新しいツールを発表する予定です。そのツールとは、2022年7月12日発売の「SRH UHCハンドブック」と、2022年7月19日発売の「WHO、UNFPA、HRP Sexual and Reproductive Health and Universal Health Coverage Learning by Sharingポータルサイト」です。


 SRHサービスへのユニバーサルアクセス、そしてすべての人々の人権、尊厳、エンパワーメントの促進と保護は、UHCの根底にある世界的に合意されたコミットメントです。私たちは、互いに、特に最も取り残されている人々の声に耳を傾け、学び、応えることが、すべての人のためのSRHRという目標の達成にどのように役立つのか、理解を深めることに焦点を当てたこれからの1カ月を楽しみにしています。

ロー対ウェイド裁判の最高裁判決に関する国連人権専門家による共同ウェブ声明

国連人権専門家による共同ウェブ声明

ドブス判決が出た当日に早速公開されました!

Joint web statement by UN Human rights experts on Supreme Court decision to strike down Roe v. Wade
24 June 2022

私訳します。

 国連の人権専門家*1は本日、米国最高裁が、女性が中絶を選択する権利を保護してきた約50年の判例を打ち消すという衝撃的で危険な決定を下したことを非難し、女性の健康と生命を危険にさらす、既存の権利の深刻な後退であると表現した。

 今日、米国最高裁は、ペンの一撃で、健全な法的根拠なしに、女性、少女、そして国内で妊娠する可能性のあるすべての人から、人生の進路を決定し、尊厳を持って生きる能力を確保するために必要な既存の法的保護を剥奪したのである。Roeによって確立された中絶の権利の取り消しは、米国における女性の「欠落した権利」の拡大を示唆しており、女性および少女に対する差別に関するワーキンググループが米国での公式ミッションの文脈ですでに強調しているとおりである。

 最高裁は、中絶制限の有害な影響から女性の生きる権利を保護する市民的及び政治的権利に関する国際規約の批准に由来するものを含む、国際人権法の下での米国の拘束力のある法的義務を完全に無視したのである。「最高裁は、国際的な独立した人権専門家が提出した詳細なアミカスブリーフにおいて、この拘束力のある義務などについて十分に留意していたが、判決では完全に無視された。」

 中絶へのアクセスと中絶の権利に対する法的保護は、女性が生命、健康、平等と非差別、プライバシー、拷問、残酷、非人道的、卑劣な扱いからの自由、そしてジェンダーに基づく暴力からの自由に対する法的に守られた人権を享受できるようにする問題として、国際法の下で確立されてきた。

 女性が自らの身体と生殖機能について自律的に決定する権利は、身体的・心理的な完全性の親密な問題に関する、平等とプライバシーに対する基本的権利のまさに中核をなすものである。専門家は、合法的な中絶へのアクセスは不可欠なヘルスケアであり、女性がその人権の全範囲を享受するために極めて重要であることを指摘した。妊娠の終了について自律的に決定する権利は、尊厳あるケア、訓練を受けた医療従事者、正確な情報への公平なアクセスによって支援されなければならない。

 ここ数十年の間に、多くの国が平等、健康、安全など女性の人権を理由に中絶法を自由化してきた。この積極的な流れは、人格は誕生するまで確立されないという理解を反映している。胎児は受胎の瞬間からすでに権利を持つ人間であると考える人々は、個人的な信念を持つ権利があるが、民主主義国家は法制度を通じてその信念を他者に押し付けることはできない。したがって、真の争点は、国際人権の主体であり保存者である生まれた人間の権利と、将来生まれうる人間の妊娠過程に存在する可能性のある社会的利害(それが有効であるかどうかは別として)の間にある。そのような社会的利益を促進するための介入の限界は、妊娠が行われることになる妊婦の人権を侵害しない程度でなければならない。

 中絶へのアクセスが非犯罪化または合法化され、避妊が広く可能な国は、妊産婦死亡率が最も低い。世界保健機関によると、中絶はよくある処置で、世界では意図しない妊娠の10件中6件が誘発性中絶に終わっています。これらの中絶のうち45%は安全でないと推定されています。制限的な法律は、中絶に対する個人の必要性を減らすことはできませんが、密かで安全でない中絶を求める女性や少女の数を増加させる可能性が高いのです。中絶のスティグマを助長し、中絶後のケアを必要とする女性の虐待や監禁につながるのです。スティグマは、専門知識を行使する際に暴力の脅威に直面する医療従事者にも影響を及ぼします。

 法的規制や障壁が蔓延している国では、安全な妊娠中絶は富裕層の特権となり、資源のない女性は安全ではない業者や行為に頼らざるを得ない。この判決は構造的な差別を助長するものであり、米国ではすでに広く浸透している。社会経済的に不利な立場にある有色人種の女性、特に黒人や先住民族の女性、その他、移住女性、障害を持つ人々、性的暴力や性的人身売買の被害者など、脆弱な状況にある人々は、リプロダクティブヘルスケアサービスに対するさらなる障壁に直面することになる。さらに、中絶の犯罪化、安全な中絶と中絶後のケアの否定と遅延は、拷問、または残酷で非人道的、もしくは品位を傷つける扱いに相当する可能性がある。到達可能な最高水準の健康へのアクセスと享受の欠如の結果、または産科暴力に関連する行為を犯罪化することによって個人の自由への権利を制限する法律、判決または公共政策、あるいは女性のリプロダクティブ・ライツの行使を犯罪化するものは、一応の差別的と見なされなければならず、任意拘束につながる可能性がある。

 専門家は、ロー対ウェイド裁判の下でこれまで保護されてきた中絶を選択する権利が取り消されることで、既存のトリガー禁止法と、最近あるいは近々州議会で導入される予定の新しい法律のために、米国で中絶制限のパッチワークが生まれることに懸念を表明した。これは、地理的な場所によって異なることになる中絶の法的パラメータについての明確性の欠如と、女性や中絶提供者が直面する訴追のリスク(私人によって引き起こされる訴追を含む)を生み出すことにつながります。安全な中絶サービスを必要とする妊婦や少女と中絶提供者が直面する威嚇と汚名は、計画外妊娠の不安とトラウマに直面する人々にとって悪夢のシナリオを作り出す態勢を整えているのです。私たちは、望まない妊娠を安全に終わらせるために家を出て他州に渡ったり、強制的な妊娠と母性に直面することを余儀なくされる女性の窮状を深く憂慮している。特定の州では、中絶を求めて渡航することまで制限される可能性があり、民間企業は中絶を必要とする妊婦を支援することで罰せられる可能性があるのかどうか不明である。50年近くにわたって何度も法的な挑戦に耐えてきた法的保護の解体から生じる法的不確実性のレベルは、深く真に恐ろしいものである。

 妊娠を継続するか、中絶するかという決断は、基本的には女性の決断でなければならず、それは彼女の将来の個人生活や家族生活全体を形作るものだからです。これらの決断は、女性の教育、キャリア、経済的安定、安全、公的生活への参加能力など、広範囲に影響を及ぼすものです。専門家は、「合法的な中絶へのアクセスは不可欠なヘルスケアであり、女性があらゆる人権を享受するために極めて重要であり、党派政治の領域から排除されなければならない」と指摘しています。ロー対ウェイド裁判の下での保護が取り払われた今、多くの妊婦が経験するであろう被害を軽減し、その安全を確保するために必要な条件と法的枠組みを作るための新しい措置が早急に導入されなければならない。"と述べている。

 安全な中絶サービスを利用する権利は、女性の生きる権利の尊重に基づき、中絶サービスの利用可能性、アクセス性、手頃な価格、受容性、質の確保、自由で情報に基づいた意思決定、適切な財政投資を必要とする人権基準に従って、法律で成文化されなければならない。政府のすべての部門、役職者、政治家は、これらの義務を果たす義務があります。立法、行政、司法の立場にある者も同様にこれらの義務を負っており、人権侵害に加担してはならない。国家の公衆衛生戦略に人権に基づくアプローチを導入するために、国家の政治・法制度において、健康に対する権利に十分な認識を与えるべきである。

 私たちは、バイデン政権に対し、中絶へのアクセスを保護し、安全な中絶サービスの提供のための州への資金提供を確保し、中絶希望者と中絶提供者の州境を越えた移動を制限することを目的とした措置の制限を防ぐための行政命令など、Dobbs対Jackson女性健康機構における最高裁判所の判決の潜在的結果を緩和するために必要なすべての措置をとるよう要求する。中絶の権利とアクセスを保護することは州議会の力の及ぶところであり、ニューヨーク州はその代表的な例である。連邦政府は、他の州がこれに倣うことを強く奨励し、新たな立法措置によって中絶サービスへのアクセス拡大を確保しようとする州に連邦資金を提供するとともに、この危機的状況下、中絶を受けるために他の州に移動しなければならない女性の法的支援や出身州での訴追を避けるための移転費用に充てる資金を充てるべきである。女性の中絶へのアクセスを支援する民間企業を攻撃や罰則から守る措置を導入し、中絶へのアクセスを主張する個人の表現と平和的集会の自由の権利を完全に保護しなければならない。

 ロー判決によって確立された中絶の権利の取り消しは、女性や少女、そして妊娠する可能性のあるすべての人に対する構造的差別と暴力をさらに国内に定着させる大きな逆行である。

 今日、米国で起こったことは、法の支配と男女平等のための重大な後退である。中絶を拡大し、安全な中絶サービスへの公平なアクセスを確保するのではなく、中絶を制限し、犯罪化するために、長年にわたって立法過程、行政権、司法権が過度に利用されてきたことは、民主的価値とプロセスの深く憂慮すべき侵食を示している。

*1:*専門家 女性及び女児に対する差別に関する作業部会。Melissa Upreti(議長)、Dorothy Estrada Tanck(副議長)、Elizabeth Broderick、Ivana Radačić、Meskerem Geset Techane、Tlaleng Mofokeng、到達可能な最高水準の身体的及び精神的健康を享受するすべての人の権利に関する特別報告者、Reem Alsalem、女性に対する暴力、その原因及び結果に関する特別報告者。

ロウ判決、覆される

SCOTUS判決:DOBBS v. JACKSON WOMEN’S HEALTH ORGANIZATION
SUPREME COURT OF THE UNITED STATES
Syllabus
DOBBS, STATE HEALTH OFFICER OF THE MISSISSIPPI DEPARTMENT OF HEALTH, ET AL. v. JACKSON WOMEN’S HEALTH ORGANIZATION ET AL.


CERTIORARI TO THE UNITED STATES COURT OF APPEALS FOR THE FIFTH CIRCUIT
No. 19–1392. Argued December 1, 2021—Decided June 24, 2022

シラバスを仮訳します。

注:可能な場合、本件に関連して行われているように、シラバス(頭注)は意見書が発行された時点で公表されます。シラバスは裁判所の意見の一部を構成するものではなく、読者の便宜のためにReporter of Decisionsが作成したものである。United States v. Detroit Timber & Lumber Co., 200 U. S. 321, 337を参照。

ミシシッピ州の妊娠年齢法は、「医学的緊急事態または重度の胎児異常の場合を除き、人は、胎児の推定妊娠年齢が15週以上であると判断された場合、意図的または故意に胎児の中絶を行ってはならない」と規定しています。Miss. コードアン。§41-41-191. 被告である中絶クリニックJackson Women's Health Organizationとその医師の一人は、この法律が中絶に対する憲法上の権利、特にRoe v. Wade, 410 U. S. 113およびPlanned Parenthood of Southeastern Pa. v. Casey, 505 U. S. 833を定めた連邦地裁の判例を犯していると主張し、連邦地裁で異議を唱えた。連邦地裁は、ミシシッピ州の15週目の中絶制限は、生前中絶を禁止することを禁じた連邦地裁の判例に違反するとし、被告に有利な略式判決を下し、同法の施行を永久に差し止めた。第五巡回控訴裁はこれを支持した。当裁判所では、請願者は、RoeとCaseyは間違った判決であり、合理的根拠の審査を満たすので、この法律は合憲であるとして、この法律を弁護している。
判決は次の通りである。憲法は中絶する権利を付与していない。RoeとCaseyは破棄され、中絶を規制する権限は国民とその選出議員に戻される。8-79頁。
(a) 重要な問題は、憲法が正しく理解され、中絶を得る権利を付与しているかどうかである。ケイシーの支配的意見は、その問題を飛び越えて、もっぱら凝視的決定に基づいてローを再確認した。しかし、「視線」の適用を適切に行うには、Roeの根拠となった問題の強さを評価することが必要である。そこで、当裁判所は、ケイシー複数派が検討しなかった問題に目を向ける。Pp. 8-32.
(1)
まず、当裁判所は、憲法修正第14条の「自由」への言及が特定の権利を保護しているかどうかを判断するために、当裁判所の判例が用いてきた基準を検討する。憲法は、中絶を得る権利について明示的に言及していないが、いくつかの憲法条項が、暗黙の憲法上の権利の潜在的な家として提示されている。ローは、中絶の権利は、憲法修正第1条、第4条、第5条、第9条、第14条から生じるプライバシーに対する権利の一部であるとした。410 U. S., at 152-153を参照。ケイシー法院は、中絶を受ける権利は、憲法修正第14条のデュープロセス条項によって保護される「自由」の一部であるという理論にのみ基づいて、判決を下したのである。他の人々は、修正第14条の平等保護条項にその裏付けがあると示唆したが、この理論は、裁判所による中絶の規制は性に基づく分類ではなく、したがって、そのような分類に適用される厳密な精査の対象ではないことを立証した裁判所の判例によって、正面切って封じられたものである。Geduldig v. Aiello, 417 U. S. 484, 496を参照のこと。
n.
20; Bray v. Alexandria Women's Health Clinic, 506 U. S. 263, 273- 274を参照のこと。
274. むしろ、中絶の規制や禁止は、他の健康や安全対策と同じ審査基準によって支配される。Pp. 9-11.
(2) 次に、裁判所は、中絶を受ける権利が国家の歴史と伝統に根ざし、"秩序ある自由 "の不可欠な構成要素であるかどうかを検証している。裁判所は、中絶する権利は、国家の歴史と伝統に深く根ざしていないと判断する。ケイシーが依拠した基礎理論-修正14条のデュー・プロセス条項が「自由」に対して手続き的だけでなく実体的な保護も与える-は長い間論争を呼んできた。
すなわち、憲法修正第1条から第8条までに保障された権利と、憲法のどこにも言及されていない基本的権利である。ある権利がこれらのカテゴリーのいずれかに属するかどうかを決定する際には、その権利が「(我々の)歴史と伝統に深く根ざし」、この国の「秩序ある自由の仕組み」にとって不可欠であるかどうかが問題となる。Timbs v. Indiana, 586 U. S. ___, ___ (internal quotation marks omitted). 自由」という言葉だけでは、ほとんど指針が得られない。従って、適正手続法によって保護される「自由」利益の新たな構成要素を認識するよう裁判所に求められる場合には、歴史的な調査が不可欠である。自由」が意味するものを解釈する際、裁判所は、憲法修正第14条が保護するものを、アメリカ人が享受すべき自由についての裁判所自身の熱烈な見解と混同する人間の自然な傾向から守らなければならない。このため、裁判所は、憲法に記載されていない権利を認めることに「消極的」である。Collins v. Harker Heights, 503 U. S. 115, 125.
裁判所は、秩序ある自由という国家の概念の本質的な構成要素を示す歴史と伝統に導かれ、憲法修正第14条は明らかに中絶する権利を保護していないと判断している。20世紀後半まで、アメリカ法には、中絶を得る憲法上の権利の裏付けはなかった。州憲法のどの条項もそのような権利を認めていなかった。Roeの数年前まで、連邦裁判所も州裁判所も、そのような権利を認めてはいなかった。また、学術的な論説もなかった。実際、中絶は長い間、すべての州で犯罪とされてきた。コモンローでは、妊娠の少なくともいくつかの段階において中絶は犯罪であり、すべての段階において違法とみなされ、非常に深刻な結果をもたらす可能性があった。アメリカの法律は、1800年代に相次いで制定された法令による規制が中絶の刑事責任を拡大するまで、コモンローを踏襲していた。憲法修正第14条が採択されるまでに、州の4分の3が妊娠のどの段階でも中絶を犯罪とするようになったのである。このコンセンサスは、ロー判決が出るまで続いた。Roeはこの歴史を無視したか、あるいは誤って記述したのであり、CaseyはRoeの誤った歴史的分析を再検討することを拒否したのである。
この歴史は重要ではないという被告らの主張は、憲法にどこにも記載されていない主張された権利が、それにもかかわらず修正第14条によって保護されているかどうかを決定する際に裁判所が適用してきた基準に反している。事務総長は、「疑わしい......中絶は、迅速な胎児の破壊に関してさえ、コモンロー上の犯罪として確固たるものになったことはない」(410 U. S., at 136)というローの主張を繰り返すが、偉大なコモンローの権威者たち-ブラクトン、コーク、ヘイル、ブラックストーン-はみな迅速な中絶が犯罪であると書いているのである。さらに、多くの権威者は、急停止前の中絶でさえも「不法」であり、その結果、女性がその試みによって死亡した場合、中絶者は殺人罪で有罪になると主張している。事務総長は、慣習法が胎動前の中絶を犯罪としなかったことから、歴史が中絶権を支持していると示唆するが、胎動へのこだわりは普遍的なものではなかった。
N. また、18世紀後半から19世紀初頭にかけて、多くの州が胎動前の中絶を犯罪としなかったという事実は、州がそれを行う権限を欠いていると考える者がいなかったことを意味しない。
ローとケーシーの支持者は、中絶の権利自体が深く根付いているという主張を真剣にする代わりに、中絶の権利はより広く定着した権利の不可欠な部分であると主張する。ローはこれをプライバシー権(410 U. S., at 154)と呼び、ケイシーはこれを「個人の尊厳と自律性の中心」である「親密で個人的な選択」をする自由(505 U. S., at 851)と表現している。秩序ある自由は制限を設け、競合する利益間の境界を定義する。ローとケイシーはそれぞれ、中絶を望む女性の利益と、彼らが「潜在的な生命」と呼ぶものの利益との間で特定のバランスを取ったのである。Roe, 410 U. S., at 150; Casey, 505 U. S., at 852.である。しかし、様々な州の人々は、これらの利益を異なる形で評価することができる。国家の秩序ある自由に対する歴史的理解は、国民に選ばれた代表者が中絶をどのように規制すべきかを決定することを妨げるものではない。Pp. 11-30.
(3)
最後に、裁判所は、中絶を得る権利が、他の判例によって支持されている、より広範な定着した権利の一部であるかどうかを検討する。裁判所は、中絶を受ける権利は、そのような権利の構成要素として正当化され得ないと結論付けている。より広範な自律の権利や、自分の「存在の概念」を定義する権利に訴えて中絶を正当化しようとする試みは、あまりに行き過ぎたものである。Casey, 505 U. S., at 851. これらの基準は、一般性の高いレベルでは、違法薬物の使用や売春などに対する基本的権利を認めることになりかねない。中絶の権利と、ローやケイシーが依拠した裁判で認められた権利とを決定的に区別するのは、これらの判決がともに認めていることである。中絶は、ローが「潜在的生命」と呼び、この訴訟で争われている法律が「胎児」と呼んでいるものを破壊するので、異なるものである。ローとケイシーが引用した他の判決はどれも、中絶がもたらす重大な道徳的問題を含んでいない。従って、これらの判例は中絶をする権利を支持するものではなく、憲法がそのような権利を付与していないという裁判所の結論は、それらを何ら弱体化させるものでない。pp. 30-32.
(b)
継続的なRoeとCaseyの受け入れは、「厳密な決定」の原則に反しない。先例拘束力の原則(Stare decisis)は重要な役割を果たし、過去の判決に依拠して行動を起こした人々の利益を保護する。それは「確定した判例に挑戦する動機を減らし、当事者と裁判所が際限のない再訴訟の出費を節約する」ものである。Kimble v. Marvel Entertainment, LLC, 576 U. S. 446, 455. それは、「司法手続の実際および認識上の完全性に寄与する」ものである。Payne v. Tennessee, 501 U. S. 808, 827. そして、過去に重要な問題に取り組んだ人々の判断を尊重することで、司法の傲慢さを抑制するものである。しかし、「凝視的決定」は不可避の命令ではなく、Pearson v. Callahan, 555 U. S. 223, 233, そして「(裁判所が)憲法を解釈するときに最も弱まる」Agostini v. Felton, 521 U. S. 203, 235, である。連邦地裁の最も重要な憲法判例のいくつかは、過去の判例を覆している。例えば、Brown v. Board of Education, 347 U. S. 483, 491 (Plessy v. Ferguson, 163 U. S. 537 の悪名高い判決とその子孫を覆した)を参照。
裁判所の判例は、判例を覆すべき場合を決定する際に考慮すべき要素を明らかにしている。Janus v. State, County, and Municipal Employees, 585 U. S. ___, ___-___. 以下に述べる5つの要因は、RoeとCaseyの判決を覆すことに強く賛成するものである。P. 39-66.
(1)
裁判所の誤りの性質 プレッシー対ファーガソンの悪名高い判決と同様に、ローもまた、決定されたその日から、憲法と衝突する方向にあり、ひどく間違っていた。ケイシーは、その誤りを永続させ、国民的論争の両陣営に議論の解決を求めたが、そうすることによって、ケイシーは必然的に勝利の側を宣言したのである。しかし、そうすることによって、ケイシーは必然的に勝者側を宣言し、敗者側(胎児の生命に対する国家の利益を促進しようとする者)は、自分たちの意見に合致した政策を採用するよう、選出された議員を説得することができなくなったのである。裁判所は、ロー法に反対する多くのアメリカ人に民主的プロセスを閉ざすことによって、民主的プロセスを短絡させたのである。頁。43-45.
(2)
推論の質。憲法条文、歴史、判例に何の根拠もなく、ローは、法令や規則に見られるような、妊娠を3期に分けた詳細な規則を国全体に押し付けた。410 U. S., at 163-164を参照。ローは、1868年に施行された州法の圧倒的なコンセンサスにさえも言及しなかったことが印象的であり、コモンローについて述べたことは単に誤りであった。そして、この意見は、歴史を調査した後、立法委員会が行うような事実調査を多くの段落を費やして行い、依拠した資料がなぜ憲法の意味を明らかにするのかを説明しないままであった。判例については、多くの判例を引用し、憲法上の「個人のプライバシーの権利」を支持するものであるとした。152頁 しかし、ローは、情報公開を妨げる権利と、政府の干渉を受けずに重要な個人的決定を行い、実行する権利を混同している。Whalen v. Roe, 429 U.S.A.を参照。
U.S. 589, 599-600. これらの決定はいずれも、中絶の特徴である、ローが「潜在的生命」と呼ぶものに対する影響には関わっていない。裁判所は、国に課した制度の根拠を要約すると、その規則は、とりわけ「関係するそれぞれの利益の相対的な重み」と「今日の深刻な問題の要求」とに合致するものであると主張した。Roe, 410 U. S., at 165. これらはまさに、立法機関が競合する利害を調整するための線引きを行う際に、しばしば考慮されるような事柄である。ローは、立法府に期待されるような説明を行い、立法府のような仕組みを作り上げた。さらに顕著な欠陥は、ロー法が、生存前と生存後の中絶を決定的に区別していることを正当化していないことである。163頁参照。ケイシーがローの中心的ルールと呼んだ生存可能性の線引きは、中絶の権利を正当化しようとする哲学者や倫理学者の間では、あまり支持されていない。そのような議論の最も明白な問題点は、生存可能性は時代とともに変化し、医学の進歩や質の高い医療の利用可能性など、胎児の特性とは無関係な要因に大きく左右されるという点である。
約20年後、ケイシーがローを再検討したとき、ローの中心的な判示を再確認したが、その理由のほとんどを支持することは控えられた。裁判所は、プライバシー権への依存を放棄し、その代わりに、中絶の権利を完全に修正第14条のデュー・プロセス条項に基づかせたのである。505 U. S., at 846. 支配的意見は、ローの3期制を批判・否定し(505 U. S., at 872)、新しく不明瞭な「過度の負担」テストに代えた。つまり、ケイシーは、ローの分析の重要な側面を再確認することを拒否し、あるいは拒否し、ローの推論における顕著な欠陥を是正せず、ローの中心的判示と称するものを支持しながら、それが正しいとは多数が思わなかったかもしれないと示唆し、ローの判例としての地位以外に中絶権に対する新しい支持を提供せず、憲法条文、歴史、判例の確固たる根拠を持たない新しいテストを課しているのである。pp. 45-56.
(3)
実行可能性。判例が覆されるべきかどうかの判断は、その判例が課すルールが実行可能かどうか、つまり、一貫した予測可能な方法で理解され適用され得るかどうかに一義的に依存する。ケイシーの「不当な負担」テストは、実行可能性の尺度では低いスコアである。Caseyの複数派は、3つの補助的なルールを設定することによって、「不当な負担」テストに意味を持たせようとしたが、これらのルールは、それ自身の問題を引き起こした。そして、ケイシーの新しい規則を適用することの難しさは、まさにそのケースで表面化したのである。505 U. S., at 881- 887, and id., at 920-922 (Stevens, J., concurring in part and dissenting in part)を比較されたい。控訴裁判所の経験は、ケイシーの許容される制限と違憲の制限の「境界線」が「正確に引くことは不可能であることが証明された」ことのさらなる証拠を提供する。Janus, 585 U. S., at ___. ケイシーは、多くの法廷闘争を引き起こしている。ケイシーの実行不可能な「不当な負担」テストに固執し続けることは、「公平で、予測可能で、一貫した法原則の発展」を促進するのではなく、損なわせることになる。Payne, 501 U. S., at 827. Pp. 56-62.
(4)
他の法分野への影響 RoeとCaseyは、多くの重要だが無関係な法理論を歪めることになり、その影響は、これらの判決を覆すためのさらなる支持を与えるものである。Ramos v. Louisiana, 590 U. S. ___, ___ (KAVANAUGH, J., concurring in part)を参照のこと。Pp. 62-63.
(5)
信頼性利益。RoeとCaseyを覆すことは、「財産権や契約権に関わるケース」で発展するような具体的な信頼利益を根底から覆すものではない。Payne, 501 U. S., at 828. ケイシーでは、中絶は一般に「無計画な行動」であり、「生殖計画は、中絶を禁止する州の権限が突然回復した場合、事実上直ちに考慮に入れることができる」ため、伝統的信頼利益は関係ないことを支配意見が認めている。505 U. S., at 856. つまり、「人々は、避妊に失敗した場合に中絶が可能であることを信頼して、親密な関係を組織し、社会における自分自身と自分の居場所についての見解を定める選択をしてきた」し、「女性が国家の経済・社会生活に平等に参加する能力は、女性が自分の生殖生活を制御する能力によって促進されてきた」のである。同上。この訴訟では、中絶の権利が女性の生活や胎児の地位に及ぼす影響について、双方の主張が熱を帯び、対立している。胎児と母体の利益の相対的重要性を秤にかけるケイシー複数派の推測的試みは、「裁判所は自らの社会的、経済的信念を立法機関の判断に代えることはない」という「憲法の原論」からの逸脱を示すものである。Ferguson v. Skrupa, 372 U. S. 726, 729-730.
Solicitor Generalは、RoeとCaseyを覆すことは、Due Process Clauseに基づく他の権利の保護を脅かすと示唆している。裁判所は、この決定は中絶に対する憲法上の権利に関係し、他のいかなる権利にも関係しないことを強調している。この意見は、中絶に関係のない判例に疑問を投げかけるものと理解されるべきではない。63-66.
(c)
Caseyは、もう一つの懸念、すなわち、Roeのような議論を呼ぶ「分水嶺」の決定を覆す決定が、政治的配慮や世論に影響されていると一般市民に認識される危険性を指摘した。505 U. S., at 866-867. しかし、当裁判所は、その決定がそのような無関係な懸念に影響されることを認めることはできない。当裁判所の判例は、判例に従うことが規範であるが、不可避の命令ではない、通常の「凝視決定」の原則に従うものである。もし、そうでなければ、プレッシーのような誤った判決が法律として残ってしまうだろう。裁判所の仕事は、法律を解釈し、長年の凝視判断の原則を適用し、それに従ってこの事件を判断することである。P. 66-69.
(d)
裁判所の判例によれば、州の中絶規制が憲法上の挑戦を受ける際に適用すべき適切な基準は、合理的根拠の審査である。中絶を行うことは基本的な憲法上の権利ではないことを考えると、州は正当な理由のために中絶を規制することができ、そのような規制が憲法の下で争われるとき、裁判所は "立法機関の判断に自分の社会的、経済的信念を代えることはできない "ということになる。Ferguson, 372 U. S., at 729-730. このことは、問題となる法律が大きな社会的意義と道徳的実質に関わるものである場合にも適用される。中絶を規制する法律は、他の健康法や福祉法と同様に、「有効であるという強い推定」を受ける権利がある。Heller v. Doe, 509 U. S. 312, 319. 立法府が正当な国益を果たすと考えることができる合理的な根拠があれば、それは支持されなければならない。同上、320頁。
ミシシッピ州の妊娠年齢法は、「胎児の生命を保護する」という州の利益を含むミシシッピ州議会の具体的な所見によって裏付けられている。§2(b)(i)。これらの正当な利益は、妊娠期法の合理的な根拠を提供し、その結果、被申請人の憲法上の異議申し立ては失敗しなければならない。Pp. 76- 78.
(e)中絶は深遠な道徳的問題を提起している。憲法は、各州の市民が中絶を規制したり禁止したりすることを禁じてはいない。RoeとCaseyはその権限を横取りした。裁判所は、これらの判決を覆し、その権限を国民とその選出された代表者に戻す。頁。78-79.
945 F. 3d 265, 取り消され、再送信された。
ALITO, J. が裁判所の意見を述べ、THOMAS, GORSUCH, KAVANAUGH, BARRETT, J. がそれに加わった。THOMAS, J. とKAVANAUGH, J. は賛成意見を述べた。ROBERTS, C. J.は判決に賛成する意見を述べた。BREYER、SOTOMAYOR、KAGAN の各裁判官は、反対意見を提出した。

連邦最高裁がロー対ウェイド裁判を覆し、人工妊娠中絶の憲法上の権利を終了させる ローレンス・ハーリー、アンドリュー・チョン 記

Reuter, 2022-06-24 米国各州の中絶禁止を可能にする判決

June 28, 2022, 3:53 AM GMT+9, Last Updated a day ago

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保守派の裁判官が判決を後押し、リベラル派は反対意見
バイデン氏、米国にとって「悲しい日」だと判決を非難
アリト判事、ロー対ウェイド裁判を「甚だしく間違っている」と指摘


[ワシントン 6月24日 ロイター] - 米連邦最高裁は24日、女性の人工妊娠中絶の憲法上の権利を認めた1973年の画期的な判決「ロー対ウェイド裁判」を覆した。この判決は、ジョー・バイデン大統領によって非難され、アメリカの数百万人の女性の生活を劇的に変え、深く対立する国の高まる緊張を悪化させるとされるものだ。

 裁判所は、保守派が多数を占める6対3の判決で、共和党が支持するミシシッピ州の、妊娠15週以降の中絶を禁止する法律を支持した。保守派のジョン・ロバーツ最高裁長官は、ロー法の判例を完全に抹消するという追加的な措置を講じることなく、ミシシッピ州法を支持しただろうと別紙のように述べ、ロー法を覆す5対4の票決となった。

 この判決の反響は、裁判所の厳重な警備の枠をはるかに超えて感じられるだろう。バイデン氏の仲間の民主党が議会を支配し続けるかどうかを決定する11月の選挙の戦場を変える可能性があり、他の長年認められてきた権利を変更する裁判官の新しい開放性を示すものである。

 この判決はまた、かつてはアメリカの民主主義システムの揺るぎない礎でありながら、様々な問題でより積極的な保守的判断を下している裁判所の正当性をめぐる議論も激化させるだろう。


 この判決により、各州が中絶を禁止する能力が回復された。26の州は、中絶を禁止することが確実であるか、またはその可能性が高いと考えられている。ミシシッピ州は、ローが覆された場合に中絶を禁止するためのいわゆるトリガー法を持つ13州のうちの一つである。(関連するグラフィックは https://tmsnrt.rs/3Njv3Cw をクリック)

 保守派のクラレンス・トーマス判事は、他の権利を後退させるかもしれないという懸念を抱かせる賛成意見の中で、避妊の権利を保護する過去の判決を再考し、全国的に同性婚を合法化し、ゲイセックスを禁止する州法を無効にするよう裁判所に促した。


 保守派のサミュエル・アリート判事によって書かれた判決では、米国憲法が中絶の権利について特に言及していないため、胎児が子宮の外で生存可能となる前(妊娠24週から28週の間に生じる)の中絶を認めたロー判決は誤った判断であるとされた。

 アメリカの広い範囲で望まない妊娠をした女性は、中絶手術が合法で利用できる他の州に渡るか、オンラインで中絶薬を買うか、あるいは潜在的に危険な違法中絶をするかの選択を迫られるかもしれない。

 Brett Kavanaugh判事は、賛成意見の中で、一部の中絶反対派が提唱する、次の段階として裁判所が憲法が中絶を違法としていると宣言するという考えを否定したようだ。「憲法は中絶を禁止するものでも、合法化するものでもない」とカバノフ氏は書いている。

 また、カバノー氏は、この判決は、州が住民に中絶をするために他の州に行くことを禁止したり、過去に中絶をした人を遡及的に罰することはできないとも述べている。


「悲しい日」
 バイデン氏は、この判決は "極端で危険な道 "を歩んでいると非難した。

 「裁判所にとっても、国にとっても、悲しい日だ」とバイデンはホワイトハウスで語った。"裁判所は、多くのアメリカ人にとって基本的な憲法上の権利を明示的に取り上げるという、これまでやったことのないことをやってのけた。"

 中絶を禁止する権限を各州に与えることは、リプロダクティブ・ライツを保護する上で、米国を先進国の中で異端な存在にしていると、民主党の大統領は付け加えた。

 バイデン氏は、議会が中絶の権利を保護する法律を可決するよう促したが、その党派的分裂を考えると、ありそうもない話だ。バイデン氏は、彼の政権は、避妊や薬による中絶のための錠剤を含む米国食品医薬品局によって承認された薬への女性のアクセスを保護すると同時に、女性が中絶を受けるために他の州に旅行することを制限しようとする動きに対抗すると述べた。

 イギリス、フランスをはじめとする一部の国々は、この判決を一歩後退したものと呼んだが、バチカンは、この判決は生命問題について考えることを世界に求めたと賞賛している。

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、この判決は「世界中の女性にとって損失」だと述べた。「女性の身体について決定する基本的な権利が失われるのを見るのは、信じられないほど動揺する」と声明で述べている。


米国最高裁、中絶に関する画期的な判決「ロー対ウェイド事件」を覆す


 2022年6月24日、米ワシントンで、ドブス対女性健康機構の中絶訴訟で、画期的なロー対ウェイド中絶判決を覆す判決が下され、米国最高裁の外で祝う中絶反対派のデモ隊。REUTERS/Evelyn Hockstein

 ウォルト・ディズニー・カンパニー(DIS.N)、AT&Tフェイスブックの親会社メタ・プラットフォームズ・インク(META.O)などの米企業は、従業員が中絶サービスのために移動しなければならない場合、費用を負担すると述べた。


有害な結果
 アリトの判決文の草稿は5月にリークされ、裁判所がローを覆す準備ができていることを示し、政治的な嵐に火をつけた。金曜日の判決は、このリークされた草稿をほぼ踏襲している。

 「憲法は中絶について何ら言及していないし、そのような権利はいかなる憲法上の規定によっても暗黙のうちに保護されていない」とアリトは判決文に書いている。

 ロー対ウェイド裁判では、憲法上の個人のプライバシーの権利は、女性の妊娠中絶の権利を保護するものであることを認めている。最高裁は1992年にPlanned Parenthood of Southeastern Pennsylvania v. Caseyという判決で中絶の権利を再確認し、中絶のアクセスに「不当な負担」を課す法律を禁止している。金曜日の判決は、ケーシーの判決も覆した。

 「ローは最初からひどく間違っていた。その理由は極めて脆弱であり、この判決は有害な結果を招いた。そして、ローとケイシーは、中絶問題の全国的な解決をもたらすどころか、議論を燃え上がらせ、分裂を深めてしまった」とアリトは付け加えた。

 同裁判所のリベラル派の3人の判事、スティーブン・ブレイヤー、ソニア・ソトマヨール、エレナ・ケイガンは、連名で反対意見を発表した。

 「今後制定される法律の正確な範囲がどうであれ、今日の判決の結果のひとつは、女性の権利と、自由で平等な市民としての地位の縮小であることは確かだ」と、彼らは書いている。

 金曜日の判決の結果、「受精の瞬間から、女性には何の権利もない。受精の瞬間から、女性には何の権利もない。国家は、個人的、家族的に最も高い犠牲を払ってでも、妊娠を終わらせるよう女性に強制できる」とリベラル派の判事たちは付け加えた。

 この判決は、同裁判所の保守派が、銃規制を制定する州の能力を制限する別の判決を下した翌日に、州が中絶を禁止する権限を与えたものだ。

 中絶と銃の判決は、人種や投票権など、さまざまな問題に対するアメリカの二極化を物語っている。

 ロー法」を覆すことは、キリスト教保守派や、2016年に候補者として「ロー法」を覆す裁判官を最高裁に任命すると約束したドナルド・トランプ前大統領を含む多くの共和党の役職者の長年の目標であった。任期中、彼は3人の判事を指名したが、いずれも判決で多数派に加わった。

 Fox Newsのインタビューで、この判決について自分の手柄に値するかどうか尋ねられたトランプは、こう答えた。"神が決めたことだ "と。

 高いセキュリティフェンスに囲まれた裁判所の外には、群衆が集まっていた。中絶反対派の活動家は判決後、歓声を上げ、中絶権支持者の中には涙ぐむ人もいた。

 プロライフサンフランシスコのエマ・クレイグさん(36)は、「私は恍惚としている」と語った。「中絶は我々の世代で最大の悲劇であり、50年後には、ロー対ウェイド政権下の50年間を恥ずかしく振り返ることになるだろう。」

 数時間後、ニューヨーク、アトランタ、シカゴ、デンバー、ロサンゼルス、シアトルなど沿岸部の各都市の群衆と同様に、判決に怒った抗議者たちがまだ法廷の外に集まっていた。

 下院議長のナンシー・ペロシ氏(民主党)は、この判決を非難し、「共和党が支配する最高裁判所」は、同党の "女性が生殖に関する健康上の決断を下す権利を奪うという暗く過激な目標 "を達成した、と述べた。

 中絶権を支持する研究団体ガットマッカー研究所が6月15日に発表したデータによると、米国の中絶件数は2020年までの3年間に8%増加し、30年にわたる減少傾向を覆した。

承認申請された経口中絶薬の安全性と副作用について

第162回記者懇談会(R4.4.13)

妊娠初期における安全な中絶治療法について
日本産婦人科医会の石谷健幹事長は4月13日の記者懇談会資料承認申請された経口中絶薬の安全性と副作用についてで、次のように述べています。

自由診療である人工妊娠中絶は、個々の医療施設の判断によって価格設定がなされます。よって、価格について日本産婦人科医会が介入する余地はなく、経口中絶薬について製薬会社や医療機関に安価で提供する働きかけを行うことは不可能です。

薬剤による中絶方法の自己負担(費用)=薬価+相応の管理料(―公費補助)
薬価:海外において製薬会社は約300ドルで販売し、治験はされていない。国内治験では、安全性の観点から全例入院で行う規制当局の指示があった。採算面から製薬会社が販売継続可能とするには約5万円前後になるだろうと推計されます。

「規制当局」とは厚労省以外ありえないよね?

だとしたら、価格つり上げに厚労省が加担しているということ?