リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

週末,金沢港で捕鯨船が公開されているからと子育て友だちに誘われて,子連れで見に行った。お祭り気分で並んでいる人たちに,船の人が上を見るようにと言う。見上げた先の船縁には,痛々しいほど大きな傷痕があった。説明の人によると,グリーンピースの船に体当たりされたあとなのだという。

船上ではグリーンピースのボートや巡視鑑による数々の妨害活動の写真が並べられ,このままでは人身事故につながりかねない,やめてほしいと訴える船長による抗議文も張り出されていた。

ここで捕鯨の是非を論じるつもりはさらさらない。ただし,暴力的な行為によって,自分たちとは意見の異なる相手をたたきつぶそうとすること自体には,わたしは反対だ。でも,無料で配られている「クジラ汁」の列に嬉々として並ぶ人たちを見ていると,海外からの批判にも一理あるような気分がわいてくる。

実際,見学しに入った捕鯨船の中で,クジラ肉を金属製のパンに入れて運ぶベルトコンベアを見たときには,まさに海上に浮かぶクジラ肉の製造工場だと思わずにいられなかった。だけど船上には,クジラの解体作業に使う道具や現場の写真なども展示されていた。クジラの生態の事実を知らせ,致死的調査の必要性を訴えるパネルもあった。

捕鯨の是非は,わたしには分からない。ただ,クジラの命と向き合っている人たちは,頭で考えてああだこうだ言いたがる人たちよりは,はるかに自分たちのしていることを,わきまえているような気がする。