リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ニカラグアの中絶全面禁止

Ipasによれば、今月、ニカラグアは女性の生命が危険にさらされている場合の中絶までも全面的に禁止する世界で4番目の国になった。

他に中絶が全面禁止されている3つの国とは、おそらくチリ、エルサルヴァドル、マルタのことだろう。(ヴァチカン市国でももちろん禁止されているのだろうが、男性のみで構成されるこの都市国家では妊娠が起こりえないではないかと、かつてスイスの外交官が皮肉を言っていたのを記憶している。)

以下、Ipasのニュース記事の冒頭を紹介。

Nicaraguan ban on therapeutic abortion goes into effect

Nicaragua’s Supreme Court recently upheld its total ban on therapeutic abortion. Nicaragua has one of Latin America’s highest maternal mortality rates. photo by Sara Gomez
July 21, 2008

In November 2006, Nicaragua became one of only four countries worldwide to ban abortion under any circumstance, including when a woman's life is at risk. On July 8, the new penal code, which again eliminates an exception for therapeutic abortion ― abortions performed to save the life or health of the mother ― went into effect.
続きはIpasを参照してください。

法的禁止によって中絶がなくなった試しはなく、またしてもヤミ中絶が横行するのはないかと懸念されている。そうでなくとも、ラテンアメリカで最も妊産婦死亡率が高いこの国で、多数の犠牲者が出るのは必須だろう。こうした全面禁止が、女性のリプロダクティヴ・ヘルスおよびリプロダクティヴ・ライツを損ねることは言うまでもない。

日本では、下記に示すとおり、JICAなどが積極的に発展途上国リプロダクティヴ・ヘルス向上を目標に活動をくり広げている。