リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

[オピニオン]子供を産みやすい世の中

2009年韓国の少子化対策の結論:女性の就職率が上がれば、出産率も自然と上がる

汎国民的な出産奨励のため、「子供を産みやすい世の中運動本部」が発足した。李明博(イ・ミョンバク)大統領夫妻も発足記念式典に出席し、関心を表した。政府がまとめた出産奨励対策には、出産奨励や不妊夫婦の体外受精手術費用の増額、保育料の増額、共働き夫婦の所得控除の拡大など、これまで出た全ての対策が含まれている。宗教界まで乗り出し、人工中絶防止や自殺防止など、生命尊重の運動まで展開しながら出産を奨励している。

ここまでは日本そっくりなのだけど……。結論部分では次のように結論している。11年後にあたる今の日本ではこのような認識は微塵たりとも見られない。

◆政府が一所懸命にキャンペーンを行っても、当の女性らはあまり気乗りしていない。地方自治体がまとめた出産奨励金のような、いくつかの飴政策の恩恵を受けるため、一生を担保にする出産に乗り出そうとする女性は、多くないようだ。主な出産年齢である20代の女性は、この10年間70万人も減った。彼女らにとって結婚は、もはや必須ではない。彼女らの願いは、男性らと同様に「就職」することである。就職して余裕があれば、子供を産んでもよいと思う女性が多い。先進国の事例から見ても、女性の就職率が上がれば、出産率も自然と上がる。女性の就職率を高めることに政策の優先順位をおく必要がある。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com