リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

『昭和・平成家庭史年表 増補』より

忘備録

気になる項目をメモっておく。

S20-1945.9.- 群馬県女子中等学校長会議、軍事教育の廃止・純潔教育の保持を申し合わせ。
10.- 軍医の復員で医者が氾濫。
S21-1946.2. 東京都職員の給与、3倍のベースアップで男子400円、女子300円。
4.1 国立大学の授業料、年額150円から360円へ値上げ。
6.- 厚生省が全国勤労者(労務者・給料生活者)の標準5人家族343家庭を対象に、生活費調査を行う。1ヵ月の平均実収は504円40銭、支出は844円80銭、差引き340円40銭の赤字。
8.- 厚生省人口政策委員会が「産むな殖やすな」運動を提唱。
10.1 この日から、死産にも届け出が必要に。
11.3 日本国憲法、公布。第25条に国家の医療保障義務が明記される。
*天野景康・文子、日本妊娠調節研究所および母性相談所を設立。
S22-1947.1.6 文部省、純潔っ教育の実施と通牒。
4.22 NHKラジオ番組『該当録音』で、ラク町おとき・夜嵐アケミなど東京・有楽町付近のヤミの女(パンパン)の声を放送。この頃、パンパンの数は全国で15万人。
5.5 中央線に婦人子供専用車両が登場。5.9景品東北線にも。
S22-1947.1.6 文部省、純潔教育の実施を通牒。
5.7 政府、官吏の基本給を1ヵ月1,600円と決定。7.5 官吏の給与1,800円ベースの新物価体系を決定。
6.6 厚生省人口問題研究所、初の産児制限実態調査の結果を発表。産制実行者は経済上の理由から教員に多いことが判明。
7.2 日本産児制限連盟が発足。
8.- 東京都内で毎日1人ずつの捨て子。
10.26 改定刑法が交付され、姦通罪・不敬罪が廃止に。11.15施行。
10.- 警視庁が行ったサラリーマンの生活実態調査によると、平均月収3,542円、赤字1,580円、全生活費の75%がヤミ買い。
12.12 児童福祉法、公布。
12.22 厚生省によると、乳児死亡率は出生1,000人当り76.7人、妊産婦死亡率は出生1万人当り16.8人。
この年*女性の平均寿命54歳(男性50歳)。23歳で見合い結婚し、4~5人の子供を持つのが典型。なお、S59年の女性平均寿命は80歳、25歳で28歳の男性と恋愛結婚し、2人の子供を産むのが平均パターン。
*性病患者が40万人を超す。
S23-1948.2.1 エリザベス・サンダース・ホーム設立。旧三菱財閥の岩崎久弥の長女で、外交官沢田廉三夫人の美喜が、l神奈川県大磯の別荘を混血児の救済施設として開放、この日最初の子供2人を引き取る。
2.10 文部省、官立医学専門学校を医科大に昇格させる。高校・専門学校への進学適性検査も実施。
2.26 公務員の新給与水準が2,920円に決まる。6月、3,700円。11月、6,307円に。
5.12 厚生省、母子手帳の配布を開始。S41-1966年、母子健康手帳と改称。
7.13 優生保護法が交付され、人工妊娠中絶などの条件が緩和される。9.11施工。昭和24.6.24人工妊娠中絶を経済的理由でも認めると改正。昭35年、中絶数が3,000万件に。
7.15 性病予防法、公布。結婚に際し健康診断書を取り交わすこと、妊娠した母体の血液検査などを規定。
9.- 学生アルバイトの種類(東京・学徒実践同盟の会員の場合)。アイスキャンデー作り述べ2,850人、土木建築1,300人、鉄道興生会1,200人、街頭販売2,150人。料金は1人平均110円、街頭販売は1時間10円ぐらい。女子はモデル1日700円、サンドイッチガール400円、マネキン150円などが多く、街頭販売も男より割高の1日150円。
12.26 厚生省、避妊薬製造を許可。S24.4.30 避妊薬7品目の発売を許可。
S24-1949.1.20 厚生省が優生保護法で認められた妊娠中絶に関し、妊娠8か月以上は適用外、経済的・社会的理由は認めずと通達。4.4横浜で神奈川県下初の優生保護法が適用され、戦争未亡人が中絶手術(4月中に同県内で419人が中絶)。6.7厚生省、妊娠中絶増加により出産率が低下、1,000人に対し20人が中絶したと発表。
1.28 文部省純潔教育委員会が『純潔教育基本要綱』を刊行。
S24-1949.4.29 エーザイ、避妊薬「サンプーン」発売。戦後の新薬第1号。新薬という言葉はこの時生まれた。
6.11 東京都は失業対策事業の日当を245円と決定。百円札2枚と十円札4枚と言うところから”ニコヨン”とよばれる。
10.28 内閣の人口問題審議会、産児調節を強力に推進するよう答申。
12.16 厚生省、人口はS23年より200万人増の8,220万人、結婚熱は下火と発表。
3.- 新制中学初の卒業生に求人がなく、8割が失業。
5.1 医療法が改正され、医療法人制度ができる。
5.- 厚生省人口問題研究所の調査で、都会人の早婚化傾向が判明。戦前は20歳前の結婚は東京・大阪ともに全体の8.5%だったが、戦後は2倍以上に増加。
9.26 新医薬品の申請に、文献や臨床実験データの添付が義務付けられる。
10.15 全国女子学生協議会の40人が”純潔運動”の推進を決議。
*女性の平均寿命が初めて60歳を超える。男58歳、女61.4歳。
この頃*新聞の相談欄にSEX相談が多くなる。
S26-1951.5.4 東京都が『こども白書』を発表。浮浪児・家出児の年への集中、宝くじの影響で子供たちにトバク類似行為が激増していることなどを指摘。
5.5「児童憲章」が制定され、児童は人として尊ばれる、社会の一員として重んじられる、よい環境のなかで育てられると規定。
5.- この月だけで売られた子供はS25年の3倍、644人。厚生省の推定によると、この1年間に売られた児童は約5、000人。順位は山形・福島・奈良・大阪・兵庫・」神奈川、ほとんどが特殊飲食店へ。
S28-1953*総務庁の家計調査によると、サラリーマンの平均月収は2万6,000円
S29-1954.1.- 健康保険が、日雇労働者・付添婦・学校給食従事者・マネキンに適用される。
3.-妊産婦の保健指導が強化される。
4.15 避妊運動の第一人者サンガー女史(米)、参議院厚生委で「人口問題の解決に受胎調節を」と意見陳述。米婦人が日本の国会で意見を述べたのは初めて。4.18サンガー女史の指導により日本家族計画連盟が発足。
11.15 無痛分娩第1号福永和枝(27歳)を中心に、経験者120人が集まって「この福音を全女性に広める会」が結成される。
S30-1955.7.8 厚生省、『売春白書』で公娼は全国で50万人と発表。
10.7 最高裁、「売春婦契約は公序良俗に反するから無効。したがってそれに基づく前借金の返還請求も認められない」との判決。
10.24 東京で国際家族計画会議。帝王切開の増加、人工中絶の増加による出生率低下などが議題に。
10.- 国勢調査で、平均世帯人数が4.97人と判明。35年間ほとんど変わらず。
この年*30代女性の結婚難が深刻化
S31-1956.1.12  東京の赤線従業婦、東京女子従業員組合連合会を消せ制して売春防止法に反対。このころ、同法の賛否両運動が活発。
2.15 ユニセフ寄贈の脱脂粉乳、妊産婦や就学前児童に対し配給開始。
4.1 医薬分業が実施される。
4.1 産休法が施工される。
5.24 売春防止法、公布。S32.4.1施行。特殊浴場として生き延びをはかる業者が目立つ。のちのトルコ風呂(ソープランド)。
S33-1958.6.30 厚生省、人口動態を発表。出生率は人口1,000人に対し18.0で、世界でも最低水準に下がる。
S35-1960.この年*日本人の年間労働時間は2,400時間で過去最高と言う報告。
*女子の平均初婚年齢24.4歳。
*女性の平均寿命が初めて70歳を超える。男65.32歳、女70.19歳、男女差4.87歳。
S36-1961.2.19 日本医師会・司会医師会が、医療費の値上げ幅について厚生省と対立。初の全国ストを行い、全国一斉に1日休診。
4.13 国民年金保険料の徴収が全国一斉に開始。
S38-1963.4.1 高校で、女子の家庭科(4単位)が必修に。
6.7 最高裁、「性格の不一致では離婚を認めない」との新判断。
S40-1965.2.8 東京・私立松蔭女子高校で「女は掃除だけしていればよいという考えを改め、私たちの人権を認めて下さい」と授業放棄。
8.- 母子保健法、公布。
*短大卒女子の就職率、初めて50%を超え57.4%に。
S42-1967.5.24 朝日訴訟最高裁で棄却。「健康で文化的な最低限度の生活の判断は、厚生大臣裁量権あり」との判断を示す。
*産院での赤ちゃん取換え事件が多発。厚生省は、看護婦の定員増の検討に着手。
*母親に暴力をふるう子供が急増。
S43-1968.4.- 大学卒男子事務職の平均初任給3万2,047円。
11.- 総理府、「産児制限に関する世論調査」を行う。人工妊娠中絶の理由として「部屋が狭い」「子供を生まない約束でアパートに入居」など住宅事情を挙げる者が東京都23区15.5%、6大都市で14.3%。
12.29 学園紛争が続く東大のS44年度入学試験が中止と決定。90年の東大史上初めて。
S44-1969.9.- 人口問題審議会、出生率が下がりすぎと警告。この年の出生率は人口1,000人当り18.5。
S45-1970.1.1 日本医師会、医療費値上げ問題で全国一斉休診(~1.4)。
4.- 文部省調べによると、大学・短大卒の就職者はS44年より約5間人増えて30万人、中学卒の就職組は4万人減って28万人。大卒が中卒を上回って、中卒はますます「金の卵」に。また女子大卒業者の就職率が6割を切り、短大卒者を下回る。
4.- 人事院規則が改正され、女子国家公務員が妊娠した場合の通院権が認められる。
◆S46.9.18 紫雲山地蔵寺開山 水子供養ブームの発端
S47-1972.1.-  母親の血液から85%の確率で胎児の性別判定が可能になる。
4.1 厚生省、ぜん息吸入剤・女性ホルモン剤精神安定剤などを医師の処方箋がないと使用できない医薬品に指定。
6.14 榎美沙子を代表に「中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合中ピ連)」が結成される。
7.15 妊娠中の女子公務員に、通勤緩和のため1時間以内の相対・遅刻が認められる。
*東京で捨て子が90人。S45-67人、S46-77人。
S48-1973.3.10 日本医師会、医師による医療事故に対し医師賠償責任保険制度を設立。
3.12 東京高裁、「女性の生理機能は男性より劣る」と女性の50歳定年を認める判決。
4.20 宮城県石巻市の菊田昇医師が、中絶を望む母親の赤ん坊を子供のいない家庭に実施として世話していた事件が明るみに。S48-1973.8.31 国鉄、東京・中央線の特別快速と快速電車から「婦人子供専用車」を廃止。9.15 代りにお年寄りや体の不自由な人のための「シルバーシート」が登場。
8.- 平均寿命が男女とも初めて70歳を超え、男70.49歳・女75.92歳。男女差5.43歳。
9.14 日銀、8月の卸売物価指数は前年同月比17.4%高と発表。敗戦直後の混乱以来の狂乱物価。
10.5 郊外健康被害補償法。
10.12 厚生省、有害性物質を含有する家庭用品の規制に関する法律を公布。
石油ショックで浴場が営業時間を午後4時から11時までに短縮、週休制も実施。
*「希望退職」という言葉が登場。
*シンナー遊びが再燃し、飛行の低年齢化が社会問題に。
S49.2.- 全国の消費者物価、前年同日比で26.3%の冒頭。
2.- 政府、安全性に疑問ありとしてピル(経口避妊薬)使用を認めないと発表。
4.- 大学卒の平均初任給8万3,138円。
*市川房江らを発起人とした「家庭科の男女共修をすすめる会」が発足。
*高校進学率が90%を超える。
S51 -1976.1- 厚生省、人工妊娠中絶を認める時期を1ヵ月短縮して6か月までとすることを都道府県・日本医師会などに通知。
6.15 民法および戸籍法が改正され、離婚女性の「姓」の選択が自由になる。戸籍の閲覧制は廃止。
S52.4.-大学卒の平均初任給は10万5,082円。
4.- 国鉄、戦後初めて一般職員として27人の女性を採用。
*男性の平均寿命は72.69歳、女性は77.95歳で共に世界第1位に。
中川米造「よい医師像」『医学教育』第8巻2号悪い医師の類型「営利主義的な医師」30.5%には「金儲け主義、金権医師、欲ぼけ医師」などの表現も含まれている。
S53-1978.10.- 赤ちゃんに接したことのない母親が急増。東京の「赤ちゃん110番」によると、1,000人中660人の母親が成長期に赤ちゃんと接したことがなく、以後”赤ちゃんを知らないまま”母親になるケースが増える。
S54-1979.11.2『国民生活白書』が発表され、国民の中流意識にかげりが出始めたと指摘。」
S55-1980.1.3 総理府の「婦人に関する世論調査」によると、「1人立ちできれば結婚しなくてもよい」「子供ができても仕事を続ける」女性が合わせて23%。前回(S47)の倍。
*出産の高齢化が進む。第1子出産平均年齢はS25年24.4歳、55年は26.4歳に。
S59-1984.5.30 厚生省、世界で初めて人口流産罪の製造を認可。
9.- 総理府が行った「婦人に関する世論調査」で、男女の地位が「平等になっていない」と思うもの73.9%、自立できれば結婚を望まない女性が3割を超える。
S61-1986*女子中・高生の性非行が増加。同機は好奇心43.8%、特定の男性が好きで37・5%、金が欲しい11.1%。10代の妊娠中絶は2万8,424件で史上最高。
S62-1987.1.17 厚生省、神戸市の独身女性(29歳)を国内初の女性エイズ患者と認定。エイズ・パニック。