一部訳してみました。

Feminist Approaches To Bioethics: Theoretical Reflections And Practical Applications
- 作者: Rosemarie Putnam Tong
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 1996/12/27
- メディア: ペーパーバック
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フェミニスト倫理学者は,どのようなアプローチを採るにせよ,ニュートラルであろうとはしていない。彼女たちはあくまでも“女性の”道徳的関心事を検討し,自分がどこに焦点を合わせているかを進んで認め,自ら批判に身を晒している。自らの本心を明かした個人やグループは,人間性を乏しくすること――固有性や詳細な私事を欠落させること――であらゆる批判を寄せ付けまいとする公平で客観的でニュートラルな見物人よりも批判されやすいものである。ジェンダー色が濃い倫理へのアプローチを採用しているからといって,性差別的だというわけではない。倫理へのアプローチが性差別的になるのは,二つの性のいずれかの関心事やアイデンティティや問題や価値を組織的に排除する場合のみであり,フェミニスト倫理学者は,非フェミニスト倫理学者が女性に対して行なっているようなことを,男性に対して行なおうとは全くしていない。
(Tong [1997:52])
自戒として。