リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ジェンダーサイド

備忘録です。

  • 生物学的には女子出生100に対し男子出生105が標準。
  • 人口全体の男女比はほぼ均衡しているか,女性において若干高い。平均寿命の男女差は一般的に男低女高。男性死亡率が高いため, 出生時の性比は年齢とともに減少する。このように性比は男女の異なった死亡秩序を 反映している。
  • こうした性比の特徴を考えると,出生性比が 一般的にみられる 105 から乖離している場合には,誕生した性別に関して何らかの人為的操作が働い た結果であると考えられる。また,出生性比が年齢とともに減少しない場合は,男女別の死亡構造に関して,問題が生じていることが推測される。
  • ベトナムの出生児性比は,女児100に対して1979年に105だったが,1999年に107,2010年111,2014年112.4と拡大傾向。
  • 近年,中国や韓国では出生前診断で女児と判明すると中絶を行う例が後を絶たず,出生比は女児100に対して110を超えるとの報告がある。
  • インドの2011/12年の出生児性比は,女児100に対して男児107である。
  • パキスタンでは5歳の誕生日を迎えられない女児は1000人中94人,男児は85人。
  • インドでは6歳未満の男女比率は男児1000人に対して女児914人(女児100に対する男児の比率109)。
  • 世界の5歳未満の男女比率は男児1000人に対し女児934人(同107)。
  • 国連の推計では年間2億人の女児が行方不明になっている。
  • 世界中で人身売買の被害にあう子どもは120万人で,その8割が女の子。
  • 乳児期を生き延びても,少女はしばしばネグレクトの対象とされ,長じてからも夫や家族から過酷な暴力を受け,死亡する者も多い。
  • 上記のような状況について,ジェノサイド→ジェンダーサイド(gendercide 性別による組織的な殺害)という言葉が使われることもある。