エルサルバドル
「転んだ」だけで「中絶罪」に問われ9年間も収監
【6月9日 AFP】中米エルサルバドルで、妊娠中に転倒し人工中絶したとして禁錮30年の判決を受け、約9年刑に服したサラ・ロヘル(Sara Rogel)さん(28)が7日、仮釈放された。関係者らがAFPに明らかにした。
当時20歳の学生だったロヘルさんは、妊娠8か月の時に洗濯中に滑って転倒した。
家族が意識不明の状態で横たわるロヘルさんを発見し、病院へ運んだが、そこで当局が人工中絶に及んだ疑いでロヘルさんを拘束した。
ロヘルさんは加重殺人の罪で禁錮30年を言い渡されたが、その後、弁護団が手を尽くして禁錮10年に減刑された。今回仮釈放が認められたとはいえ、出国は禁じられる。
保守的で敬虔(けいけん)なカトリック教徒が多いエルサルバドルでは、いかなる状況でも人工中絶が禁止されており、「加重殺人」で有罪となれば禁錮8~50年の刑が下される。
映像は仮釈放されたロヘルさん、7日撮影。(c)AFP