リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

政権交代が果たせなかった夜だからこそ

リプロ・ライツを主張しよう

四半世紀以上前、カイロ会議で「リプロダクティブ・ライツ」が採用された

それまでのトップダウン方式の人口政策ではなく、個人の健康と権利を保障して、当人にとってより良いタイミングで適切な数の子を産んでもらおうと

世界はボトムアップ方式へとパラダイムシフトした

でも日本は別の道を進んだ

リプロ・ライツの要は、当人に決めさせること、当人が決めたことを国が支援すること

女は自分の人生のなかで自分のからだを使って産むのだから、「産みたいかどうか」「いつなら産めるか」は当人が一番よく知っている

だから避妊や中絶を充実させ、望んだ妊娠の時には手厚くサポートするのが基本のキ

ところが日本では避妊は高くてバリエーションなし
中絶も高くてスティグマの強い旧式の手術で
下手をしたら子宮に穴を開けられる

望まない妊娠をしたとたんに「母」呼ばわりされ
下手をすれば堕胎罪で懲役刑

逃げた男は無罪放免 

他の国に目を向けてごらん
中世並みだよ 日本は女を粗雑に扱いすぎ

日本は育児も介護も女に無料で担わせ、非正規雇用で女たちの時間と労働力を低賃金で吸い上げる

産めない/産みにくい社会を作っておいて「産まない女が悪い」と責めても無理というもの

頑張って産んでも自己責任のワンオペ育児

何の保障もなく 支援もなく 尊重されず

これ以上自己犠牲を強いないで

100年前は更年期が来る前に寿命の尽きる女は多かった

成人してからの短い生涯の大半を、何人もの子産みと子育てで費やして終える女が多かった

当時は多産で授乳期間が長く、その分月経回数は少なかった

今や平均寿命は80を優に超え、生涯に産む子どもの数は1人か2人で生涯に400回超も月経がくる

生涯400回超の月経があるために、望まない妊娠をするリスクも急増した

だからこそ、少産の人生を生きる現代女性にとって、避妊も中絶も絶対に不可欠なもの

妊娠に振り回されず人生設計するために女性自身が自分の妊娠を自己コントロールする
それを社会がサポートする

それがリプロの基本のキ

少子化が下げ止まった国々はリプロの基本を守ってる

今、産みたくない人に、無理やり産ませようとするんじゃなくて、後の妊娠のために安全に避妊・中絶を受けられるようにする

そして、今、産みたいと思っている人には手厚く手厚くサポートをする

それがリプロの基本

誰もが幸福でいられるように

今回、政権交代できなかったけど、リプロを広めていくことを私はあきらめない

声を上げ続けていく

世界の理はこちら側にある

「女性と少女の安全な中絶にアクセスする権利」と、「女性が自分の妊娠について自分で決める権利」のどちらも「女性の人権」なのだから

人権侵害は正すべきなのだから

問題の根幹はもう見えている
それを私は主張し続けていく

#世界共通の人権を日本に