ナイジェリアからの2015年の報告
Ann Med Health Sci Res. 2015 Nov-Dec; 5(6): 442–446.
doi: 10.4103/2141-9248.177984
A 10-year Review of the Clinical Presentation and Treatment Outcome of Asherman's Syndrome at a Center with Limited Resources
C/Sと中絶のD/Cが原因とあり、C/Sとは何かと思ったのですが、子宮の癒着をもたらすということから考えておそらくCesarean Sectionのことだと思われます。D/Cは言うまでもなくD&Cのことでしょう。
仮訳します
資源が限られた施設におけるAsherman症候群の臨床像と治療成績の10年間のレビュー
IU Takai、AS Kwayabura、1 EA Ugwa、2 A Idrissa、3 JY Obed、3 M Bukar3要旨
背景
多くの女性が、様々な臨床症状や徴候を呈するある程度の子宮内癒着(IUA)に悩まされている。子宮鏡検査はIUAの診断,分類,治療の柱である.目的
この研究は、1997年から2006年の10年間にわたり、マイドゥグリのマイドゥグリ大学教育病院(UMTH)でアッシャーマン症候群と診断された患者の臨床的特徴と治療結果を検討するために行われた。被験者と方法
1997年1月1日から2006年12月31日までの10年間にUMTHで管理されたアッシャーマン症候群の症例に関するレトロスペクティブスタディである。症例記録はカルテ科から検索した。臨床症状、治療法、転帰に関する社会人口統計学的および臨床情報が照合された。データはSPSS 16.0 Statistical Computer Package (SPSS Inc., IL, USA 2006)を用いて分析した。推論統計には、カイ二乗と二項ロジスティック回帰を使用した。結果
アッシャーマン症候群は、研究期間中のUMTHにおける全婦人科手術の8.1%(81/996例)を占めた。症例記録の検索率は96.3%(78/81フォルダ)であった。患者の59%(46/78)は3年目であり、85.9%(67/78)は既婚者であった。最も多い危険因子は妊娠に関連したもので、61.5%(48/78)を占めた。発症様式は不妊症が55.1%(43/78例),月経困難症が32.1%(25/78例)と最も多く,不妊症と月経困難症を併発した症例が多かった。85.9% (67/78) の症例は,盲目的拡張掻爬術(D/C),フォーリーカテーテル挿入,エストロゲン・プロゲステロン併用療法で治療された.月経の回復は37.2%(29/78人)に認められ、妊娠率は32.1%(25/78人)であった。バイナリロジスティック回帰では、回答者の年齢、多胎、妊娠のための骨盤手術の経験(C/Sと中絶のためのD/C)が、アッシャーマン症候群の発症と関連する唯一の回答者の危険因子として浮かび上がった。結論
アッシャーマン症候群は妊娠・分娩の合併症によるものが比較的多く、盲目的D/Cは比較的予後不良である。回答者の年齢、多胎、妊娠のための骨盤内手術の既往(C/Sと中絶のためのD/C)は、アッシャーマン症候群の発症と関連していた。したがって、子宮鏡下癒着剥離術など他の癒着剥離法を検討する必要がある。
ナイジェリアを貶めるつもりはないけれど、日本の多くのクリニックは「資源が限られた施設」ではないはずだ。
未だに「盲目的搔爬手術」を行っている医師が多くを占めている日本の中絶医療が情けなくなる。