リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

子どもの権利条約では2003年の一般勧告4号から「中絶」の権利を入れていた!

「若い母親」の問題は途上国の方が深刻だからかもしれない

Judicial bypass

子どもの権利委員会
2003年6月5日(第33会期)採択
CRC/GC/2003/4(原文英語、ワードファイル)
日本語訳:平野裕二
*1
一般的意見4号(2003年)
子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達

子どもの権利委員会・一般的意見 15 号
到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利(第 24 条)
(一般的意見一覧)
子どもの権利委員会
第 62 会期(2013 年1月 14 日~2月1日)
CRC/C/GC/15(2013 年4月 17 日/原文英語)
日本語訳:平野裕二

31.子どもは、子どもとともに活動する専門家によって子どもの最善の利益にのっとっていると評価される場合には、その発達しつつある能力にしたがい、親または法定保護者の同意を得ることなく、秘密が守られるカウンセリングおよび助言にアクセスできるべきである。国は、親または法定保護者がいない子どもを対象として、子どもに代わって同意を与え、または子どもの年齢および成熟度によっては子ども自身による同意を援助することができる適切な養育者を指名するための、法律上の手続を明確にすることが求められる。国は、HIV検査ならびにセクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスのためのサービス(セクシュアルヘルス、避妊および安全な妊娠中絶に関する教育および指導を含む)など一定の医学的治療および介入策について再検討を行ない、これらの治療および介入策については親、養育者または保護者の許可を得ることなく子どもが同意できるようにすることを検討するべきである。

54.この連続的期間全体を通じて利用可能とされるべき介入策には、必須保健としての予防および健康促進ならびに治療的ケア(新生児破傷風、妊娠時のマラリアおよび先天性梅毒の予防を含む)、栄養ケア、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関する教育、情報およびサービスへのアクセス、健康的行動教育(たとえば喫煙および有害物質濫用に関するもの)、出産準備支援、合併症の早期認識および管理、安全な妊娠中絶サービスおよび中絶後のケア、出産時の必須ケア、ならびに、HIVの母子感染の予防ならびにHIVに感染した女性および乳児のケアおよび治療が含まれるが、これに限られるものではない。分娩後の産婦および新生児のケアにおいては、母親が子どもから不必要に分離されないことが確保されるべきである。

56.青少年の妊娠率が世界的に高く、かつ、青少年の妊娠には関連する罹病および死亡のリスクが付け加わることを踏まえ、国は、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関わる青少年の特有のニーズを保健制度および保健サービス(家族計画および安全な妊娠中絶のためのサービスを含む)が満たせることを確保するべきである。国は、女子が自己のリプロダクティブヘルスについて自律的な、かつ十分な情報に基づく決定を行なえることを確保するために行動するよう求められる。青少年の妊娠を理由とする差別(停退学等)は禁止されるべきであり、また継続的教育の機会が確保されるべきである。


57.健康的な妊娠・分娩の計画および確保にとって男子・男性がきわめて重要であることを考慮し、国は、セクシュアルヘルス、リプロダクティブヘルスおよび子どもの健康のためのサービスに関する政策および計画に、男子・男性を対象とする教育、意識啓発および対話の機会を統合するべきである。

関連情報:
未成年者の中絶に関する保健省通達がヨーロッパ人権条約に違反しないとされた事例──同意能力を有する未成年者に対する妊娠中絶と親への告知の要否──家永 登

人工妊娠中絶 - シエラレオネ教育支援NPO法人アラジ

Judicial Bypass | Abortion Wiki | Judicial Waiver

https://www.researchgate.net/publication/228125550_Reversing_the_Retreat_from_Gillick_R_Axon_V_Secretary_of_State_for_Health

*1:*2003年11月17日、正式な国連文書にもとづく改訳を掲載。未編集版からパラグラフ番号が大幅に修正され、文章がだいぶ整理されたほか、障害児教育に関わって「統合された環境下で」が「可能な場合には普通学校において」(パラ19)に変更されるなど、一部内容的な修正も行なわれている。