リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

妊娠9カ月で中絶薬を服用、女性に禁錮2年4カ月 英国

CNN.co.jp 2023.06.13 Tue posted at 21:18 JST

 (CNN) 英イングランド中部の街ストークオントレントの裁判所は12日、人工妊娠中絶のための飲み薬(経口中絶薬)を対象期間が過ぎてから使った女性(44)に対し、禁錮2年4カ月の刑を言い渡した。

 女性は裁判で、中絶を目的とした薬の違法使用を認めた。当初は堕胎罪に問われ、無罪を主張していた。実際は1年2カ月にわたって収監された後、仮釈放となる見通し。

 検察によると、女性は3児の母で、2019年に新たに妊娠し、20年2~5月にはインターネット上で中絶関連の商品を探していた。


 英PAメディア通信によれば、同年5月6日に中絶クリニックの看護師と話した結果、妊娠7週前後と判断され、経口中絶薬が郵送された。

 その5日後、薬を飲んだ後で、陣痛が始まったと緊急通報。この電話の最中に出産した。子どもは救急隊員による蘇生措置の後、病院で死亡が確認され、母親が中絶薬を使用したことによる死産と判定された。

 女性はこの時、妊娠32~34週になっていたことが分かった。英国の中絶法では、自宅での中絶は妊娠10週未満の場合のみ認められている。

 女性は自分でも妊娠何カ月か分からず、医師の診察を受けていなかったという。検察側は、女性が中絶薬を送ってもらうため、クリニックにうそをついたと主張した。

 判事は「悲劇的」なケースだったとの見方を示し、女性がもっと早く有罪を認めていれば執行猶予を検討しただろうと述べた。

 裁判所の判断の基礎となったのは1861年制定の対人犯罪法で、同罪の最高刑は終身刑となる。英国内では今回の裁判をきっかけに、女性の人権を尊重した法改正を早急に求める声が上がっている。