リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

日本が主導? 国際人口開発議員会議(ICPPD)が1994年のICPDの前に開かれていた

「認識・資源・立法・監視」国会議員が人口と開発の分野で果たすべき4つの役割

国際人口・開発議員会議特集.pdf - Google ドライブ
この文書のp.32、毎日新聞社人工問題調査会常任理事の尾崎美千生氏の記事にこうある:

日本のイニシアティブで組織され、約三百人の各国国会議員がカイロに集まって独自の「カイロ宣言」をまとめあげた「国際人口開発議員会議」


こんな報告書を見つけた。
国際人口・開発議員会議 1994年

ICPDではなく、ICPPDというらしい。基調講演を行ったUNFPA事務局長、ICPD事務総長のナフィス・サディックさんは、国会議員には少なくとも以下の4つの主な役割の実行が求められると言っている。

1.人口と接続可能な開発の関係についての一般市民の意識を喚起する。
2.人口と開発プログラムに必要な資金の割当のために、国内の支援を動員する。
3.行動計画の行動と勧告を、政府が実際に実行出来るように法律を策定し施行する。
4.おそらく最も重要なこととして、行動計画に沿った活動がきちんと実行されるように保証し、また監視するための国会議員の組織を創設し、改善すること。

日本に欠けていたのは1と4ではないか……。


こんな記事も見つけた。
Asian Forum Newsl. 1995 Jan-Mar;10., Parliamentarians play key role in linking population and social development
概要を仮訳する。

アジアフォーラムニュース. 1995年1月-3月;10.
国会議員は人口と社会開発を結びつける重要な役割を果たす
著者リストなし

概要
PIP:人口と社会開発に関する国際議員会議において、国連人口基金UNFPA)の安藤博文事務局次長が、ナフィス・サディク事務局長の声明を発表した。1994年9月にカイロで開催された「人口と開発に関する国際議員会議(ICPPD)」は、人口問題に関する国会議員の姿勢と支持に大きな影響を与えた。人口と開発に関するアジア議員フォーラム(AFPPD)は、人口問題と社会開発について話し合うため、世界各国から議員を集めた。世界サミットでは、社会経済問題を扱った以前の国際会議で蓄積された経験が審議に盛り込まれた。ICPD行動計画では、持続可能な開発の達成に向けて、早期の人口安定化が果たす極めて重要な貢献、雇用の創出における人口と開発に関する統合政策の重要な役割、貧困の緩和における人口政策とプログラムの重要性、女性の地位向上と男女平等の達成に向けた、質の高い家族計画サービスを含むリプロダクティブ・ヘルス政策の貢献、教育、家族計画、そして一般的な人間状態の改善との相乗効果、そして人口圧力と貧困、環境悪化との関係といった、社会サミットの議題に関連する懸念を取り上げた。ICPD行動計画はまた、特に女児の教育へのアクセス確保、乳児・幼児・妊産婦死亡率の削減、リプロダクティブ・ヘルスと家族計画サービスへの普遍的アクセスの提供など、人口と開発に関する決定的に重要な目標を特定した。現在の課題は、社会サミットのために必要な資源を動員することである。


ICPPD独自の「カイロ宣言」が、5年後のフォローアップ会議の資料に載っていた。
Parliamentarian's Activities on Population and Development

Asian Forum For Population and Development(AFFPD)の会長シン・サクライがICPPDの運営委員会議長を務めていた。1995年に”International Meeting of Parliamentarians on Gender, population and Development”という会議が東京で開かれ「東京宣言」が発せられていることになっているが、英語ではまったく見るけられなかった。