リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

ジャーナリスト古川雅子 Yahoo!ニュース オリジナル 特集 中絶薬「空白の35年の真実」連載記事 3本

真実を埋もれさせないために紹介する

中絶薬が日本に導入されるまでの「空白の35年の真実」

 2023年7月28日から30日にかけて、経口中絶薬に関するオリジナルの特集が日本の大手オンラインニュースサイトに掲載された。ジャーナリストの古川雅子氏らによる28人への独自取材に基づき、ミフェプリストンが世界で初めて承認された1988年から、リネファルマの経口中絶薬「メフィーゴパック」(ミフェプリストンとミソプロストールの配合剤)が日本で承認される2023年までを取り上げた。


PART 1では、「承認への障壁」を明らかにした。中絶は戦後日本の人口政策の一環として1948年に合法化され、1950年代には年間100万件以上の中絶が行われた。日本の医師は子宮穿孔を避けるため、精力的にD&Cを訓練した。バイアグラはすぐに承認されたが、避妊薬や中絶薬は長い時間をかけて厳しい臨床試験が行われた。承認された後も、厳しい条件が付けられた。


PART 2は、医師たちの態度を追ったものである。ほとんどの女性がピルを希望しているにもかかわらず、日本でピルを導入している中絶クリニックは4,200のうち1%にも満たない。その背景には、手術が10分で10万円稼げるという事実がある。医師たちは『私たちの中絶手術は薬より安全です』と自慢し、政治家に献金したり、厚生労働省に圧力をかけたりして、自分たちの利益を守ろうとしている。


PART 3 は、指定医による「中絶の独占」を認めている法律の問題である。日本には「女性の健康を守る医療」の観点が欠けているために、多くの若い貧しい日本人女性に安全な中絶が手に入らなくなっている。古い刑法と古い掻爬術によって、中絶は悪であるという見方も未だに強い。人工妊娠中絶薬の導入を契機に、女性の人権を守る医療に切り替えるべきである。