2022年の画期的な『中絶ケア ガイドライン』に準じた臨床ハンドブック
世界の中絶ケアはここまで来ている! 日本の産婦人科医療者にはぜひ見て頂きたい! 日本でやっていることのほとんどがWHOの推奨法とはかけ離れていることが分かると思います。
たとえば、頸管拡張搔爬術(D&C)は一切出てこないし、狭義での搔爬(キュレッテージ)は4回出てくるうち3回は「使わないでください」という記述、1回だけ、「胎児排出後3~4時間を経過した出血、発熱、胎盤残留」の状態で吸引を使用できない場合に限って、キュレッテージを使ってもいいとあるだけ。
麻酔の方法も違うし、中期中絶で使われる薬も違う。そもそも中期中絶で推奨されているD&Eが日本ではほとんど行われていないようである。出産育児一時金や埋葬の規定と関係しているのではないかと私はにらんでいるのだが……。
Towards a supportive law and policy environment for quality abortion care: evidence brief, 3 November 2022
法と政策のブリーフです。以下の7つの勧告があります。
提言1:犯罪化
中絶の完全非犯罪化を勧告する。
提言2:中絶の完全非犯罪化を勧告する: 根拠に基づくアプローチ
a. 中絶を理由によって制限する法律やその他の規制に反対するよう勧告する。
b. 中絶は、女性、少女、その他の妊娠している人の要求に応じて利用できるようにすることを勧告する。
勧告3:妊娠期間の制限
妊娠月齢制限に基づいて中絶を禁止する法律やその他の規制に反対するよう勧告する。
勧告6:待機期間の義務化
中絶のための待機期間の義務化に反対するよう勧告する。
推奨事項7:第三者の承認
中絶は、他のいかなる個人、団体または機関の承認なしに、女性、少女または他の妊娠している人の要求に応じて利用できるようにすることを勧告する。
提案21:提供者の制限
WHOのガイダンスと矛盾する中絶を提供・管理できる者に関する規制に反対するよう勧告する。
勧告 22:良心的拒否
包括的な中絶ケアへのアクセスと継続性が、良心的拒否によって生じる障壁から保護されるよう勧告する。