リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

SRHRからsexualを抜いた議論はありえない

WHOのHuman Reproductive ProgrammeのNovember 2023ニューズレター

SRHRからsexualを抜いた議論をしては? という提案にHRPの担当者はこう答えました……仮訳でお届けします。(”Message from the Director, Dept. of SRH and HRP”より)

 最近私は、「SRH」からセクシュアル・ヘルスを外し、リプロダクティブ・ヘルスに焦点を当て、妊産婦死亡の近接原因をターゲットにした議論の余地のないアジェンダを確保したら、反響があるのではないか、と尋ねられました。この質問は、セクシュアル・ヘルスと権利に対する敏感さが常に存在し、エスカレートし、憂慮すべきものであることを示しています。

 HRPはこのような問題から決して目をそらしてはいません。事実、この質問は、世界中のすべての人々の健康と福祉を支えるエビデンスを生み出すことに尽力するHRPの本質的な役割を強調しています。

 セクシュアル・ヘルスなくしてリプロダクティブ・ヘルスなし。セクシュアル・ヘルスは、身体の自律性と主体性の促進を包含し、生涯を通じて安全で健康的な人間関係の重要性を認識します。そのためには、選択を可能にする情報へのアクセスが必要です。セクシュアル・ヘルスは、性感染症、予期せぬ妊娠、および力関係の違いによる危害の予防と保護を保証します。セクシュアル・ヘルスは、不妊症、性的障害や機能不全、生殖器癌の原因となる婦人科的・泌尿器科的疾患に対して、質の高いスクリーニング、診断、治療を提供することを目指します。ライフコースを通じて、セクシュアル・ヘルスは健康とウェルビーイングを守り、私たちが生殖だけでなく生産的(リプロダクティブ)であり続けることを保証します。