リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

どこが異次元? 「女性」の尊重や女性差別の撤廃には「意地でも触れない」態度を続けていく限り少子化は止まらない

異次元の少子化対策……?

必要なのは人権意識とジェンダー・センシティブでリプロを尊重する意識。人口の過半数を占める「女性」を圧迫しつづけている限り、女性たちが気持ちよく産み・育てられる社会にはならない。

「こども未来戦略」~ 次元の異なる少子化対策の実現に向けて ~ 令和5年12月22日

(2)社会全体の構造・意識を変える
○ 第二に、少子化には我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっているため、家庭内において育児負担が女性に集中している「ワンオペ」の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する社会を作らなければならない。
○ このため、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身者を含めて、皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要がある。
 こうした観点から、「加速化プラン」においては、こどもまんなか社会に向けた社会全体の意識改革への具体策についても掲げることとする。
○ また、企業においても、出産・育児の支援を投資と捉え、職場の文化・雰囲気を抜本的に変え、男性、女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を使えるようにしていく必要がある。この点については、特に、企業のトップや管理職の意識を変え、仕事と育児を両立できる環境づくりを進めていくことが重要である。同時に、育児休業制度自体についても、多様な働き方に対応した自由度の高い制度へと強化するとともに、職場に復帰した後の子育て期間における「働き方」も変えていく必要がある。特に、出生率の比較的高い地方から東京圏への女性の流出が続いている現状を踏まえ、全国の中小企業を含めて、女性が活躍できる環境整備を強力に進めていくという視点が重要である。
働き方改革は、長時間労働の是正により夫婦双方の帰宅時間を早め、育児・家事に充てる時間を十分に確保することや、各家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を実現すること等につながる。また、子育て家庭にとってのみならず、事業主にとっても、企業の生産性向上や労働環境の改善を通じた優秀な人材の確保といった効果があることに加えて、延長保育等の保育ニーズの減少を通じて社会的コストの抑制効果が期待されるものでもある。さらに、価値観・ライフスタイルが多様となる中で、子育てに限らない家庭生活における様々なニーズや、地域社会での活動等との両立が可能となるような柔軟で多様な働き方が普及することは、全ての働く人にとってメリットが大きい。このため、特に、働き方改革の実施に課題のある中小企業の体制整備に向けた取組を強力に後押ししていくことが必要である。
育児休業を取りやすい職場づくりと、育児休業制度の強化、この両方があって、子育て世帯に「こどもと過ごせる時間」を作ることができ、夫婦どちらかがキャリアを犠牲にすることなく、協力して育児をすることができる。このためには、地域や規模に関係なく全ての企業の協力が不可欠であり、働き方改革の推進とそれを支える育児休業制度等の強化など、「加速化プラン」で掲げる具体的な施策について、政府・経済界・労働界が一体となって、官民挙げて強力に取り組んでいくこととする。