JanJan 2006/10/25によれば,アルゼンチンでは「違法な中絶後に緊急治療室に運び込まれた患者に懲罰の意味で麻酔なしに子宮内膜掻爬術を施したり、分娩時に痛みに騒ぐ女性を叱りつけるなどの慣行は今なお横行している」とか。
アルゼンチンでは、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスにおける女性患者に対する残虐で非人道的な扱いに今、撲滅を目指す運動が展開されている。こうした慣行は医師、看護士など医療従事者はもとより、患者までもが当たり前のことととらえてきた。
「虐待の実態を明らかにするとともに、女性がいかに扱われるべきかを一般にも知らしめること」とこの問題に取り組む「女性の権利擁護のためのラテンアメリカ・カリブ委員会」(CLADEM)の研究員スザナ・アルミンチアルディさんはその目的についてIPSの取材に応えて語った。
きっかけは2003年に発表された『Con todo al aire(すべてを明らかにする)』と題する調査報告書である。アルゼンチン北東部のサンタフェ州の女性数十人の証言に基づくこの報告書では、医療従事者による「人間性そのものを侮辱する」扱いが明らかにされた。
なお同国では中絶は御法度で,たとえ性暴力の結果の妊娠であっても合法的に行なえない。ところが実際には,年間50万件もの非合法中絶が行なわれているという背景事情がある。