リプロな日記

日本のアボーション(中絶と流産)にまつわる諸問題を研究しています

SANKEI WEBがポーランド人の信仰心の弱まりと中絶増加について報道していました。以下、抜粋です。

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大方の国民が日曜礼拝に行かなくなった欧州地域にあって、なお過半数が教会に足を向けるポーランドはずぬけて信仰心が厚い国といっていい。

 だが、「今の若者は教会ではなくディスコに行く。宗教は国民の規範なのに」(西部スウビチェの老人)と、往時と比べての嘆きが聞かれるように、教会と国民との距離感は確実に増している。2004年、欧州憲法条約への「キリスト教の伝統」の明記を主張して各国と対立したポーランドで、その「伝統」の屋台骨が揺らいでいるのだ。

 それは、妊娠中絶問題に端的に表れている。

 教会側の反対にもかかわらず、民主化後は、中絶をある程度、容認する法案が成立しており、昨年の世論調査でも、反対論が18%、ほぼ認めるとの回答が75%に上った。05年は合法中絶が約200件、違法中絶となると20万件に上るとされる。

 同国のカトリック教指導者、ワルシャワ大司教(67)が共産党政権時代に秘密警察に協力していたという衝撃的事実も、先ごろ明るみに出た。国内には、84年に「連帯」派のポピウシュコ神父が秘密警察に殺害された陰惨な事件の記憶が残るだけに、教会の威信が大いに傷付く結果となった。

 ハンガリーでは共産党時代に宗教への関心が薄れ、チェコでも「共産党下で宗教離れに拍車がかかり7割が無宗教と答える」(外交筋)という。ポーランドでも、精神的な支柱だったローマ法王が05年春に死去したことで、「偉大な指針を失った」(クロホ報道官)。

 有力紙、「選挙新聞」の記者、カタジーナ・ビシュニエフスカ(27)は逆に、「法王が国民に細かく指示することが続いていたとすれば、法王を失ってよかったのかもしれない。少なくとも今後は、自分たちの頭で考えられるようになる」と、重しが取れたことの効用の方を強調している。

 次回は、カトリック教と同様にポーランド人のよりどころのひとつである、ショパンの音楽を取り巻く現状を探ってみたい。=敬称略(文、写真・黒沢潤)

http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/070219/erp070219001.htm より抜粋

信仰心の弱まりだけが中絶件数の増加と直結しているとは思いがたい。中絶がより早期により簡単に(より残虐ではなく)行えるようになったという技法の変化や、人々の暮らしの変化による「少子化指向」が強まったことの影響も見逃せないはずである。