女性が行きたい産婦人科に

本日付の中日新聞CHUNICHI.WEBに載っていた記事をご紹介します。

ハッピーウーマンプロジェクト(6) 複雑な不調 どう治す

女性の健康を体、心、社会から考える講演会=今年1月、富山市内で

 「女性が行きたい婦人科」として、ハッピーウーマンプロジェクトの活動から生まれた「女性クリニックWe! TOYAMA」。今回は、院長を務める種部恭子医師が、日本の医療現場の現実と、女性が必要とする医療についてつづった。

 二十五年前、女性の役に立つ仕事がしたくて医師を目指した。「自分が最も女性の役に立てる場はここに違いない」と何の迷いもなく産婦人科医になった。

 しかし、女性を助ける立場にあるはずの医療の世界は、競争の厳しい封建的な男性社会。男性の医師に負けまいと頑張り続けた研修医のころ、「だから女は」と言われたくなくて産休も取らずに働き続けた勤務医のころ、「女医」といわれると頭に血が上って「私は女の医師であって女医になった覚えはない」と息巻いていた指導医のころ、まっすぐに走りながらいつも何かしっくりこないものを感じていた。

 「目指すものは本当にこれなのか」ともがいているうちに、多くの女性患者さんたちに多くのことを教えられ、女性にはどんなに高度な医療技術でも解決できない複雑な不調があり、その多くは社会環境的な原因を背景に持つことをあらためて認識したことが、今の仕事のスタンスの原動力になっている。

まさにリプロダクティヴ・ヘルスを向上するケアが求められているわけです。たとえば以下のような状況が事例としてあげられています。

 流産した女性、病気で子宮を摘出する女性が心を痛めて待っている横に、幸せそうにおなかの大きな妊婦さんが待っている産婦人科外来。HIV/AIDSなどの性感染症は、生活習慣病と同様、誰もがかかるリスクを持つ病気でありながら、偏見が強いために検査すら行われずに潜在的に感染が拡大している事実。性同一性障害や同性愛などのマイノリティーには門を閉ざしてきた社会。不妊治療を受けている当事者が最も苦しんでいるのに「子どもはまだか」と責める家族。望まない妊娠の結末として中絶を受ける女性が心に大きな傷を受けているのに、相手の男性は平然と日常生活を送っていること。性について語ることを避ける一方で、性産業、性犯罪、性的虐待があふれている現状。問題だと感じることのすべてが、薬や手術では解決できないものだ。

日本人男性の買春率の高さと野放し状態の性産業・ポルノとは無関係ではないのでは? そこらへんの研究もまだまだ不備です。

 「病院ではあなたに何もしてあげられないので、お帰りください」と言うしかなかった無力感をバネに、新しい診療スタイルの病院を作り、医療ではできない社会啓発と健康支援をハッピーウーマンプロジェクトに託した。この活動の成果が実り、バイアスなく事実を見つめる人が増え、社会が変われば、女性は体も心も生き方も健康になれると確信している。(女性クリニックWe! TOYAMA院長、ハッピーウーマンプロジェクト理事・種部恭子)

ぜひ他の産婦人科でも、こうした取り組みに参与してほしいと思います。