リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

安全性の低い中絶

かつては安全な中絶と安全でない中絶だったけれど

2017年にthe Lancetという超有名な医学誌に載った次の論文以来、「安全な中絶」と「安全でない中絶」の二項対立ではなく、安全性について3つの区分を設けるようになったそうです。
Global, regional, and subregional classification of abortions by safety, 2010–14: estimates from a Bayesian hierarchical model
Dr Bela Ganatra, MD et. al

  • 安全な中絶(Safe abortion):訓練を受けた提供者によってWHOが推奨する方法で行われる場合
  • 安全性の低い中絶(Less-safe abortion): 訓練を受けた提供者によって推奨されていない方法で行われる場合、あるいは十分な情報なしにまたは訓練を受けた者のサポートを受けることなく安全な方法*1
  • 安全性が最も低い中絶(Least-safe abortion): 訓練を受けていない提供者によって危険で侵襲性の高い方法で行われる場合

となると、日本で行われているD&CはWHOの推奨法ではないためless safeの区分にあてはまります。より安全性の高い方法に変えていくべきです。

*1:以前は「安全性に欠ける」と訳していましたが、訳を変えました