リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

OECDで中絶薬未承認5ヵ国中、中絶合法化運動がないのは日本だけ

堕胎罪は人権侵害であり、中絶薬は世界標準の医療だということをまずは知ってください!

OECD諸国37カ国のうち中絶薬を認可していないのは、スロバキア、トルコ、ポーランド、韓国、日本の5ヵ国だけです。

未承認国のうち、韓国は今年1月1日に堕胎罪がなくなったので、現在、女性たちが中絶薬導入を目指して運動を展開中です。


ポーランド政府は国内で唯一残っていた合意要件を撤廃し、コロナ流行の最中に大規模なデモが繰り広げられ、暴力的な制圧が行われています。
MEPs slam Polish abortion ban: 'Women will suffer'


トルコ政府は中絶が合法化されているのに実際には中絶医療を受けられないということが2年前にニュースになり、反対運動が続いています。今月は、大統領が女性に対する暴力の防止と対策を定めた欧州評議会の「イスタンブール条約」からの離脱を決め、反対デモが始まりました。
Turkey′s women face dangerous conditions to obtain legal abortion | Europe| News and current affairs from around the continent | DW | 27.01.2019
In memoriam Nawal El Saadawi, Spain, Turkey Solidarity Request - Newsletter 24 March 2021

スロバキアでは、保健大臣が中絶を拒否するよう求めたことに対し、権利擁護団体が異議を唱えています。
ICWRSA 2020 - The Year in Review - 18 December 2020


OECD諸国で中絶薬未認可の他の4ヵ国では、すべて政府が締め付け、国民が反発するという対立が起きているのですが、日本では中絶を合法化せよ、中絶薬を承認せよ、という声がまだまだ小さい。