リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

附録1「国際人口・開発会議」河野副総理兼外務大臣演説 1994年9月6日、カイロ

第57回人口問題審議会総会議事次第 資料2 カイロ会議の経過と意義

議長、
 私は、今回の会議における主要テーマの一つは、リプロダクティヴ・ヘルスであると認識しています。我が国においては、女性の地位向上、意思決定過程への参画を促進する等の観点から、基本的人権を尊重した人口問題へのこの考え方は重要と考えます。
 わが国は、このリプロダクティヴ・ヘルスに関する活動に力を注いでおり、一貫して男女平等の教育を行ってきた他、母子健康手帳の交付など一連の母子保健システムにおいて、女性および次世代を担う子どもの健康う向上のために、思春期から妊娠、出産、子どもの健康についての健診・相談・指導の機会を設け、これらを実施することにより、その健康保持および増進を図ってきております。このような施策により、女性の正確な情報に基づく選択・意思決定が可能となり、男性の行動の在り方の改善と合わせ、乳児死亡率、出生率の低下等がもたらされていると考えております。
 リプロダクティヴ・ヘルスとの関連では、エイズも人口問題の重要な地位を占めていますが、この関連で先月わが国において「第十回国際エイズ会議」が開催されたことも付言させていただきます。

議長、
 次に、わが国の人口問題に対する具体的な取組みについて述べたいと思います。わが国は、第二次世界大戦直後に人口急増に直面し、これを自助努力により解決し、その後の経済成長を成し遂げた国として、また最近は、他の先進国と同様に、急速な高齢化に取り組まねばならない国内的事情から、従来より人口問題に深い関心を有しております。この戦後の人口問題の解決にあたっては、NGO、草の根的な地域レベルでの保健婦助産婦等による家族計画の普及活動のみならず、戦前からの男女の教育水準の向上、母子保健に代表されるような浦井マリー・ヘルスケアの促進が重要な役割を果たしたことを申し上げたいと思います。人口問題の解決に向けては、生活水準の向上とともに、こうした地道な活動が非常に大切であると考えます。わが国は、平和国家として、このような経済・社会分野をはじめとする、わが国の得意な分野での取組みを中心として、その国際貢献を積極的に進めて参りたいと考えます。
 また、本会議の成功に向けわが国は、本年初頭に、国連人口基金と共催で「人口問題に関する東京賢人会議」を開催し、東京宣言を発表して、行動計画案の作成に貢献を行ったほか、今次会議及び同時に開催されるNGOフォーラムへの支援等積極的に協力を行っています。

地球環境賢人会議と東京宣言
基本的に人口問題解決のためのお金の問題を話し合っている会議ですね。

1.57ショック(1989年の合計特殊出生率がひのうえうまの1966年より低かったこと)が起きた1990年より5年も経っているのに、未だに日本にとって「人口問題は解決済み」という態度だったことが分かる。