リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

厚生省が指定医師に全幅の信頼を寄せていることの表明

第72回国会 衆議院 社会労働委員会 第28号 昭和49年5月22日

1984年の国会での質疑。金子みつ議員が「経済的理由」を落として「精神的健康」に置き換えていくことを問題視して厚生省に質問しているところ。

256 金子みつ
○金子(み)委員 産婦人科の先生が適当であるとか適当でないとかいうことを申し上げようとは思っておりませんけれども、しかし精神的理由というのをはかる尺度も基準も標準も何もなくて、その先生の主観でその先生がそうだとお考えになれば、そうなっていくということが結論として出てくると思いますね。ですけれども、それは非常にあいまいだと思いますし、非常に危険だと思います。どの先生もりっぱな先生なんだと思いますから、おそらくお間違えになるようなことはないとは思いますけれども、しかしそれは、厚生省としてはそのようなあいまいなきめ方で法律をおつくりになるというのは、危険ではないでしょうか。

257 三浦英夫
○三浦政府委員 こういう指定医の方々というのは、やはり社会的にかなり豊富な経験もお持ちになっておりますし、また日ごろ学会等で常に研さんも研修もやられております。また私どもとしても都道府県を通じて指定医師とも連絡して指導等にも当たっておりますので、したがいまして医学的な常識に基づいての御判断については、万遺漏ないものと確信しておる次第でございます。

政府委員がここまで言っている!? 研修といったって、「精神的健康」に関する研修をしっかり行っているとは、とても思われないのに、「万遺漏ない」まで言っちゃって大丈夫なのだろうか?

現在の厚労省も、この立場なのだろうか?