リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

水子供養の源泉

ノーグレン『中絶と避妊の政治学

青木書店版p.103 第5章中絶の政治に出てくる生長の家谷口雅春の話。

優生保護法アメリカに押しつけられた「人口統制政策の一環だと主張し、それが、やはりアメリカに押しつけられた憲法同様に日本の伝統的価値を蝕み、殺人や自殺をはじめとする社会病理のほか、生命軽視や子どもの非行、離婚、性道徳の崩壊、出生率の減少、労働力不足という一般的傾向を招いたのだと主張した。さらに谷口は、中絶された胎児の魂が、生まれていれば兄弟姉妹や両親となるはずだった人々の注意を引いたり復讐したりするために、さまざまな体の病気や夜尿症、学業不振、事業不振を引き起こすと関連付けた。

まさに、後の「水子供養」で言われていた「胎児の祟り」による現象がここに並んでいる。このオリジナリティあふれる発想は、谷口雅春から始まったわけだ。