リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶薬と胎児異常

忘備録

経口中絶薬の催奇性について、Sam Rowlandsさんから頂いたコメントを仮訳する。

動物実験に戻るのはおかしい。厚生労働省の公式見解では、投与試験についてのみ言及しており、質問の答えになっていない。実際、ウサギでは単離された胎児に異常が観察されたが、用量依存性ではなかったため、薬物との直接的な関連は認められなかった(Jost 1986; Wolf et al 1990)。ラット(Hardy & New 1991)とサル(Wolf et al 1990; Avrech 1992)では催奇形作用は認められなかった。ミフェプリストンは催奇形性作用はないが、子宮収縮力に対する作用があり、プロスタグランジンと併用した場合、子宮収縮を誘発する可能性があり、動物実験におけるいくつかの異常の原因となっている(Jost 1986)。これらのデータの優れたレビューが2006年にSitruk-Wareによって発表された。

引用されていた文献Jost(1986)についてPubMedの概要を仮訳する。

ウサギの妊娠の成立は卵巣プロゲステロンに依存している。卵巣ホルモンが欠乏すると、流産か「部分妊娠」、あるいは胎児に異常が生じることが、かなり前に観察された。妊娠ウサギに11日目から、抗プロゲステロン活性で知られるホルモン拮抗薬RU486を妊娠中止以下の用量で投与すると、卵巣ホルモン欠乏の影響が再現される。