リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

UN WOMEN: RESPECT WOMEN, Strategy Summary, Empowerment of women

UN WOMENとWHOが共同作成したVAW(女性への暴力)対策のマニュアル

UN WOMEN: RESPECT WOMEN, Strategy Summary, Empowerment of women2020

一部仮訳する。

女性のエンパワーメント


戦略の目的
 女性と女児の経済的、社会的、心理的、政治的エンパワーメントを促進し、女性の経済的自立を促し、家庭内、地域社会、社会における人間関係を改善し、公平な男女の力関係を促進する。


根拠
 女性の社会的、経済的、心理的、政治的エンパワーメントは、女性に対する暴力(VAW)のリスクを減らす保護要因である。女性に対する暴力は、女性が社会や家庭で占める地位の低さの現れであるためである。
 この戦略の下での介入は、女性と女児の自信と自己効力感、自己主張、交渉スキルなどのスキルを高める。また、女性の経済的リテラシー、資産、自律性を高め、男性や他の家族への経済的依存を減らす。エンパワーメント戦略は、女性の交渉力、自信、意思決定の自主性を高め、安全面において自分自身や家族のために行動する選択肢と主体性を与えることを支援する。

 この戦略には、社会から疎外された女性グループ(女性セックスワーカーや障害のある女性など)を含む、コミュニティ内の女性と女児に働きかけるアプローチも含まれる。特定の女性グループへのアプローチに重点を置くことは、差別や不平等の複数の交差する形態に取り組むことで、誰一人取り残さないことを含むRESPECTの指導原則にも沿ったものである。また、その若さに関連するパワー・ダイナミクスのために、特別なリスクと脆弱性に直面している思春期の女児を対象とした取り組みも含まれている。


リスクと保護要因
 この戦略は、以下のVAWの危険因子に取り組み、以下の保護因子を促進することを目的としている:

以下の変革のための第一歩である「女性が自らの権利の知識を得る」からして日本女性にはできていないことを痛感せずにいられない。

変化の理論
 次の図は、女性の社会的・経済的エンパワーメントを目指すエビデンスに基づく介入策が、 VAW の削減にどのようにつながるかを示す簡略化した変化理論である。これは、具体的なプログラムのためにさらに発展させ、適応させる必要がある。

介入


アウトプット

  • 女性が自らの権利について知る
  • 女性と女児の事故効力感や自尊感情が高まる
  • 女性と女児の社会的資産(capital)が増す
  • 女性の資金的(financial)サービスへのアクセスが増す
  • 女性の所得、土地、その他の生産手段へのアクセスが増す
  • 女性と男性がジェンダーやパワーの不平等について批判的に見直し、議論する
  • 家族やコミュニティの男性メンバーが女性や女児のエンパワメントを支援する


アウトカム

  • 家族、コミュニティ、機関(institutions)がジェンダー平等を規範として信じて保持し、VAWを受け容れない
  • ジェンダー平等と尊重(respect)が、親密な関係、家族関係、コミュニティの関係でも実行される
  • 女性と女児は自発的に意思決定できる
  • 女性の経済的独立が高まる
  • 女性は公的および政治的ライフに参加する


インパク

  • VAWが減るまたは撤廃される
  • 女性は自らの人権を行使し、開発に貢献する