DEVPOLICY BLOG, by Bettina Baldeschi, Daile Kelleher and Anu Kumar10 October 2023
仮訳します。
先月、西オーストラリア州は人工妊娠中絶にアクセスするための障壁を取り除く画期的な改革を可決し、オーストラリアの他の州と肩を並べることになった。特に社会から疎外された人々にとって、中絶へのアクセスにはまだ現実的な障壁があるものの、オーストラリアのすべての州と準州で中絶が非犯罪化され、『女性の健康国家戦略』は、2030年までに普遍的なアクセスを実現するための枠組みを示している。
世界的に見ると、状況は大きく異なっている。世界では、妊娠の半分は意図的でないものです。アジア太平洋地域では、家族計画の必要性が満たされていない女性が1億4,000万人いる。世界の妊産婦死亡の13％は、安全でない人工妊娠中絶によるものである。
この危機への対応は、避妊へのアクセス拡大、包括的なセクシュアリティ教育、あらゆる面での男女平等の向上など、多面的なものでなければならない。低・中所得国のすべての人々が近代的な避妊具と医療を利用できるようになれば、意図しない妊娠は68％減少し、安全でない人工妊娠中絶は72％減少するだろう。
しかし、予定外の望まない妊娠の割合がゼロになることはない。安全な中絶へのアクセスは、その一部でなければならない。
オーストラリアは、中絶へのアクセスを促進し、すべての性と生殖に関する健康と権利（SRHR）が満たされるようにする上で、重要な役割を担っている。外務貿易省は、パンデミックを通じて22カ国でSRHRサービスへの継続的なアクセスを確保した「インド太平洋セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツCOVID-19対応投資（C-Surge）」など、SRHRプログラムへの重要な地域投資を行ってきた。
オーストラリアはまた、多国間協定においてもセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスと権利の信頼できる擁護者である。このことは、反権利運動が人権と身体の自律を弱体化させる努力を積極的に強めている状況において、特に重要である。こうした運動は、世界各地の権威主義的・国家主義的な政府と深いつながりがあり、権力を強固なものにする手段として、厳格なジェンダー規範を強制し、女性や性の多様な人々をコントロールしようとしている。
米国におけるロー対ウェイド裁判の転覆が示すように、慢心は許されない。どこにおいてもだ。米国では、この判決以降、すでに妊産婦死亡率が上昇しており、歴史的に疎外されてきた集団に不釣り合いな影響を及ぼしている。ロー対ウェイド裁判が施行された当時でさえ、ヘルムズ修正条項により、アメリカ政府は国際的な中絶医療に資金を提供することができなかった。グローバル・ギャグ・ルールが施行され、米国の資金を受けている団体は、たとえ米国政府以外の資金であっても、中絶サービス、情報提供、紹介、この問題についての擁護を行うことができない。
DFATが次の国際ジェンダー戦略を起草する際には、性と生殖に関する健康と権利の優先事項として、またジェンダー平等を達成するためのより広範なフェミニズム的アプローチの一部として、中絶が挙げられなければならない。言葉は重要である。中絶の概念を正常化することは、スティグマを減らし、アクセスを可能にするための重要な要素である。また、二国間レベルで資金援助を推進し、オーストラリアの領事ポストが中絶をジェンダー平等の不可欠な側面として議論できるようにし、国防総省職員が多国間協定に中絶を含めるようアドボカシーするよう導くことも重要である。
中絶が合法で、女性やジェンダー的に多様な人々にとって利用可能で、安価であり、避妊が誰にとっても利用しやすいものであれば、地域社会が繁栄する機会が増えるというエビデンスがある。これは、特に思春期の少女たちにとって、教育へのアクセスの拡大を意味する。女性や多様なジェンダーを持つ人々が、不健全な関係や暴力的な関係から逃れることができるようになることを意味します。そしてそれは、すべての人がより大きなジェンダー平等の恩恵を受けられることを意味する。
反権利運動がますます組織化され、資源も豊富になっている今、オーストラリアの揺るぎない支援を示すことは、これほど重要なことはない。
上記でエビデンスとして挙げられているのはIPAS, AUGUST 5, 2022 NEWS - Beyond the individual: Research shows abortion access has widespread benefits（個人を超えて： 中絶へのアクセスは広く恩恵をもたらすという研究結果）
