リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

アメリカ:ドブス判決後の一年間の中絶数は増えている!

Society of Family Planningが統計結果を2023年10月24日に発表

#WeCount Report April 2022 to June 2023

対面診療無しの中絶が7割増加したという。

一部、仮訳します。

全米の調査結果
 ドブス判決が全米の州の中絶アクセスに与える影響を理解するために、ドブス判決前の2022年4月と5月の中絶件数データと、ドブス判決後の2022年7月から2023年6月のデータを比較した。全米で以下のことがわかった:
 ドブス判決後の1年間で、ドブス判決前の2022年4月と5月に観察された月平均中絶件数と比較すると、2022年7月から2023年6月までの12カ月間で累計2,200件の中絶件数が増加した(表2)。
 ドブス以前の2ヵ月間、米国で臨床医が提供した中絶件数は月平均82,115件であったのに対し、ドブス後の12ヵ月間、中絶件数は月平均82,298件であった(表2)。
 月平均人工妊娠中絶件数が最も増加したのは2023年3月で、ドブス以前より10,565件増加した(表3)。
 多くの州での増加は、禁止されている州での大幅な減少を覆い隠している。
 全国的な中絶件数は月によってばらつきがあり、最も減少したのは2022年11月で、8,185件減少した(表3)。
 アメリカでは2017年から中絶が増加しており、ドブス判決まで中絶率は上昇を続けていた。したがって、中絶の必要性が増加しているように見えたことを考えると、ドブス判決後に米国でアクセスが失われた州の減少はさらに顕著である。
 ドブス判決後に中絶件数が減少した州は、ドブス判決前に中絶規制が最も強かった州でもある。従って、ドブスに至るまでの数ヶ月間の中絶件数は、中絶医療に対する真の必要性を過小評価している可能性が高い。
 ドブス判決前の月平均4,045件(全中絶件数のほぼ5%)から、ドブス判決後の12ヵ月では月平均6,950件(全中絶件数の8%以上)に増加している。
 この変化は、ドブス判決前と判決後を比較すると、バーチャル・オンリー・サービス(対面なしのサービス)による中絶件数が72%増加したことを意味する(表4)。