リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

21世紀の保健医療専門職教育改革におけるジェンダー変革的介入の統合

専門家の研修・訓練について

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仮訳します。

背景
 保健医療専門職教育(HPE)におけるジェンダー差別と不平等は、学生や教員に影響を及ぼし、保健医療と開発目標を達成するために必要な強力な保健医療人材の輩出を妨げているが、HPE改革者はこうしたジェンダー障壁にほとんど注意を払っていない。ジェンダーの平等は、HPEと保健雇用システムのすべての関係者にとって、中核的価値観であり、専門的実践能力でなければならない。


方法
 以前に文献レビューで確認された査読付きおよび査読なしの文献は、北米およびカリブ海諸国、西・東・南部アフリカ、アジア、中東・北アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、南米のHPEおよび高等教育制度におけるジェンダー差別と不平等に対抗するための介入策を特定した。評価では、セクシャルハラスメント(18件)、介護者差別(27件)、ジェンダー平等(6件)に対処する51の介入が検討された。ジェンダーと保健システム強化の専門知識を持つレビュアーが、6つのジェンダー変革基準に従って介入策を評価し、ランク付けした。

結果
 13の介入が、中核的な介入セットで実施された場合、HPEへの参加、定着、キャリアアップ、卒業に対するジェンダー関連の障害に対処する変革的可能性を有すると考えられた。レビューでは、HPEにおけるセクシュアル・ハラスメントに対抗する可能性のある1セットと、介護者差別に対抗する2セットが特定された。ジェンダーセンターと雇用機会均等ユニットは、複数の形態のジェンダー差別と不平等に対処できる構造的介入策である。


結論
 本論文の大まかな目的は、HPEのリーダーたち--学校長、人事管理者、ドナー、その他の保健医療人材(HRH)関係者--が、現在のビジネスのやり方にジェンダー変革的な変更を加え、HPEにおけるジェンダー差別と不平等への対策に取り組むことを奨励することである。これらは保健医療専門職教育の機能、質、アウトプット、成果に影響を与える。
 セクシュアル・ハラスメントの不処罰をなくし、学生と教職員の教育と労働の権利を促進・保護し、学生と教職員の職業倫理の理解を深めるようなジェンダー変革的HPE改革には、考え方、組織文化、リーダーシップ能力の変化と、しばしば不平等なシステムにおけるジェンダー平等のために尽力する変革者としての保健医療従事者の再構築が必要である。
 本稿で明らかにした中核的な一連の介入策の適用と、強力な学習課題にさらに焦点を当てることが、現在進行中のHPE改革努力の一部となるべきである。