リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

中絶のセルフケア 不公平なアクセスに対する前向きな解決策

人口評議会(ポピュレーション・カウンシル)の研究者による調査

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Abortion Self-Care: A Forward-Looking Solution To Inequitable Access.
Vázquez-Quesada L, Shukla A, Vieitez I, Acharya R, RamaRao S.
Int Perspect Sex Reprod Health. 2020 Dec 1;46(Suppl 1):91-95. doi: 10.1363/46e1420.
PMID: 33326404


中絶のセルフケア 不公平なアクセスに対する前向きな解決策


要旨
 世界保健機関(WHO)のセルフケアの定義に従えば、妊娠中絶のセルフケアとは、医療提供者の支援の有無にかかわらず、特に妊娠初期(妊娠12週まで)に望まない妊娠を管理する妊娠中の個人の能力のことである。薬による中絶(MA)の出現は、これを可能にした。自宅での早期の自己管理によるMAは、安全で容認でき、費用対効果の高い妊娠中絶方法だからである。現在MAに使用できる薬剤は、ミフェプリストンとミソプロストール、およびこの2つを一緒に包装したもの(コンビパックとも呼ばれる)で、ミソプロストール単独よりも子宮を排出する効果が高く、MAの第一選択薬とされている。居住地での中絶の合法性にかかわらず、世界中の女性が、遠隔医療サービス、ピア主導の支援グループ、ホットライン、オンライン情報源と連携して、臨床環境の内外で妊娠中絶を自己管理するためにこれらの薬を使用しており、これは安全でない処置による妊産婦の死亡率と罹患率の減少に大きく貢献している。