リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書

2021年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-

第16回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書

3.結婚・出産・仕事をめぐる女性のライフコース、男女ともに「再就職」「専業主婦」を理想とする割合が減少し、「両立」志向が伸びる。
 未婚女性が考える「理想ライフコース」は、出産後も仕事を続ける「両立コース」が前回の 32.3%から 34.0%に増加し、今回初めて最多となった。「再就職コース」「専業主婦コース」は減少した一方、今回調査では「非婚就業コース」「DINKs コース」を理想とする人も増加した。男性が自身のパートナーとなる女性に望むライフコースでも、今回「両立コース」が 39.4%に増加し、最多となった(図表 3-1-1)。
 結婚相手に求める条件として重視されるのは、男女とも「人柄」「家事・育児の能力や姿勢」「仕事への理解」であるが、妻となる相手に「経済力」を求める男性、夫となる相手に「家事・育児の能力や姿勢」「容姿」を求める女性が以前よりも増加している(図表 3-2-1)。
 結婚意思のある未婚男女の平均希望子ども数は、1982 年以降おおむね低下が続いているが、今回は男性で 1.82 人、女性では初めて 2 人を下回り 1.79 人となった(図表 3-3-1)。「子どもはいらない」と考える未婚男女はともに 1 割を超えた(図表 3-3-3)。
 子どもをほしいと考える未婚者に、子どもを持つ理由をたずねたところ、「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」を挙げる人が男女ともに前回調査から減少し、女性では加えて「好きな人の子どもを持ちたいから」「子どもは夫婦関係を安定させるから」を挙げる人も減少した(図表 3-3-4)。未婚男女ともに男児よりも女児を望む「女児選好」の傾向が強まっている(図表3-3-5)。


4.未婚者の生活スタイル、「生きがいとなる趣味持つ」「一人の生活寂しくない」男女が増加。
 未婚男女に自身の生活スタイルをたずねたところ、「生きがいとなるような趣味やライフワークを持っている」「一人の生活を続けても寂しくないと思う」割合が増加し、「気軽に一緒に遊べる友人が多い」「欲しいものを買ったり、好きなことに使えるお金が少ない」「仕事のために、私生活を犠牲にすることがよくある」が減少した(図表 4-1-1)。また生活スタイル別に「いずれ結婚するつもり」と考えている未婚者の割合をみたところ、一般に結婚意欲が高い生活スタイル、低い生活スタイルにかかわらず、すべての生活スタイルにおいて今回調査で意欲が大きく落ち込んだことがわかった(図表 4-1-2)。