リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

以下,WHOのスペシャル・プログラム(HRP)のニューズレターから,リプロダクティヴ・ヘルスおよびリプロダクティヴ・ヘルス・ケアの定義部分を抜き出してみた。

リプロダクティヴ・ヘルスとは何か

 リプロダクティヴ・ヘルスは,リプロダクティヴ・システムやその機能ならびにプロセスにまつわるすべての事項に関して,身体的,精神的および社会的に完全に良好な状態にあることであり,単に病気に罹患していなかったり虚弱でなかったりすることではない。つまりリプロダクティヴ・ヘルスには,人々が満足のいく安全な性生活を営めることと,再生産の能力を有しており,子どもをもつかどうか,もつとすればいつどのようにもつかを自由に決定できることが含まれる。後者の条件の中には,男性にも女性にも自らの選んだ安全で有効かつ手軽で許容されうる家族計画の手段および自らの選んだその他の合法的な出生調節の手段に関して情報が与えられると共にその手段が入手可能であることと,なおかつ女性たちが妊娠および出産を安全に過ごすことを可能にし,カップルが健康な子どもを得るチャンスを最大限にするような適切なヘルスケア・サービスを得る権利が含まれる。上記のリプロダクティヴ・ヘルスの定義に従って,リプロダクティヴ・ケアは,リプロダクティヴ・ヘルスにまつわる問題を予防し解決することにより,リプロダクティヴ・ヘルスウェルビーイングに寄与する一群の手段や技術,サービスとして定義される。さらに,そこにはセクシュアル・ヘルスも含まれるものとし,その目的は人生やパーソナルな関係を向上することであって,リプロダクションや性感染症に関連したカウンセリングやケアのみに限定されないものとする。
 このリプロダクティヴ・ヘルスの定義は,ICPDによって採択された。

◆WHOのリプロダクティヴ・ヘルス・プログラムの全体的な狙いと目標

 WHOのリプロダクティヴ・ヘルス・プログラムの全体的な狙いは,人々がセクシュアリティおよびリプロダクションに関連する自分とパートナーの健康を増進および保護することを可能にし,必要な時には質の高いヘルス・サービスにアクセスしてそれを享受することを可能にする国々の能力を強化することである。
 この狙いをサポートするために,WHOのリプロダクティヴ・ヘルス・プログラムは,4つの幅広いプログラムの目的を設置した。これらの目的は,人々が以下を実現するために自らのセクシュアル&リプロダクティヴ・ライツを行使できることを保障するものである:

* 健康な性的発達と成熟を経験し,平等かつ責任のある関係ならびに性的な満足を得る能力を有していること。

* 子どもをもちたい時かつ子どもをもつと決めたときに,安全かつ健康な形で希望挙児数を達成すること。

セクシュアリティおよびリプロダクションに関する不健康や疾病,障害を回避し,必要な場合には適切なケアを受けられること。

セクシュアリティやリプロダクションにまつわる暴力やその他の形の危害を受けずにいられること。

いずれも原文は: http://www.who.int/reproductive-health/hrp/progress/42/prog42.pdf
【試訳 塚原久美】