リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

この日の日記は,書いている途中で間違って消してしまった。本当は,イプセンを引用しているところについて書こうとしていたのに,考えていたことを忘れてしまった。しかたがないので,別のところから抜き書きをひとつ……。

選択はまだなお,二つのもののあいだの選択であると思われていた。一つは,「愛」――女らしい,母性的な愛,利己的な愛,つまり文化全体の重みによって定義づけられ判定されている愛。もう一つは,利己主義――創造,業績,野心となって働くものと男たちがきめている力,それもしばしば他者を犠牲にしてなのだが,しかしそうなることが正当化されうる力。……この二者択一はまちがっている――「愛」という言葉自体が見なおし[リヴィジョン]を必要としている。
アドリエンヌ・リッチ(大島かおり訳)『嘘,秘密,沈黙』1989:75-6.