リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

先日の九州の事故について気になっていたところ,日産婦誌54(3), 2002:65-66.に,こんな記載を見つけたので,メモしておきます。

研修医のための必修知識
C.産科疾患の診断・治療・管理
2.子宮内容除去術

子宮内容除去術 dilatation and curettage

 子宮内容除去術は人工妊娠中絶手術,胞状奇胎妊娠中絶手術,流産手術,胎盤・卵膜遺残除去などの手技を総称した手技である。人工妊娠中絶や流産手術は産婦人科医が行なう手術としては分娩後の裂傷縫合を除けば最も多く行なわれるものである。人工妊娠中絶は母体保護法指定医のもとで行なわれるが,手技的には流産手術と併せて論じられることが多い。慣れてくると比較的容易な手技ととらえられがちであるが,それ故に依然としてトラブルが絶えないこともまた事実である。研修の初期に覚えた技術が良くも悪くも生涯「クセ」としてつきまとう,したがって初期研修の段階できちんとした手技を学び,実際の手技を行なう際には細心の注意を払う必要がある。

術前の検査・処置・モニタリング

 処置を始める前に,充分な問診を行なう。感染症の検査のほか,血液型不適合の監査の機会となりうることを考慮し,可能であれば血液型を確認する。手術直前には患者の確認を行ない,内診,超音波による最終診断を行なう。また,患者の不安をできるだけ取り除くために,これから行なう処置の流れについてよく説明しておく。
 ……〔中略〕
 患者に麻酔をかける時は必ずモニタリングを行なう。心電図,血圧,経皮酸素モニターを最低限観察しながら手技を進める。緊急事態に備えて静脈ラインの確保も是非行ないたい。

麻酔 anesthesia

 静脈麻酔後,準静脈麻酔薬が主に用いられる。鎮痛薬と睡眠薬併用による静脈麻酔を表1に示した。〔以下,略〕

なお,麻酔するにあたって喘息の有無を確認せよという注意書きは見あたりませんでした。