リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

子宮頸がん予防ワクチン

このところ、あちこちの自治体が子宮頸がんに効果があるとされるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種に公的補助を打ち出しています。魚沼ウェブニュースというサイトによれば、自治体として初めて全額補助を決定した新潟県魚沼市では、先月末に2回目の子宮頸がんワクチン説明会が開かれたようです。

魚沼市の決定について、昨年12月14日付けの讀賣新聞は、「子宮頸がんワクチン助成…新潟県魚沼市 全国初「女性の健康を支援」市長が方針」という記事で、次のように報じていました。

 魚沼市の大平悦子市長は、10日の12月市議会定例会で、2010年度から子宮頸(けい)がん予防ワクチンの公費助成を実施する考えを明らかにした。

 同ワクチンの製造販売が10月に承認され、今月販売が開始されることを受けたもの。市では「全国初の取り組み」としており、新年度予算案に助成費用として1000万円程度を計上、議会に諮る。

 国内で年間3500人が死亡するとされる子宮頸がんは、性交渉により感染、子宮の入り口にできる。「ワクチンによって予防できる唯一のがん」とされるが、接種は性交渉を持つ前の10歳代前半のうち3回行うことが必要で、全額自己負担だと3万〜4万円ほどという。

 接種は希望制とし、対象年齢や具体的な助成の範囲は、市で今後検討する。大平市長は「限られた財源ではあるが、県内初の女性首長として、女性の健康支援のためにやれることをやる決心をした」と述べた。

(2009年12月14日 読売新聞)

ああ女性の市長なんですね……やっぱり決定の場に女性が入っていくことが重要なのかな、と思わされます。

このHPVワクチン接種ブームは、HPV感染が急速に広まっていること、性交開始年齢が低年齢化していることなどを背景にしていると思われるが、すべての子宮頸がんを予防できるわけではなく、それ以上に非常に値段が高いワクチンであること、また性感染症であるため、この予防接種について子どもにどう説明するのかがネックになっているようで、実際、子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の調査によれば、導入を考えている自治体はまだまだ少数でしかなさそうです。

HPVワクチンの有効性と限界」について書いてらっしゃる勤務医の方のブログも見つけました。参考になります。

ただし、もし接種するなら小学校6年か中学1年生くらいが良いのだとか。わが娘もそろそろ対象年齢にさしかかってくるので、親の一人としても判断を迫られるところ。難しいですね。