リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

2019年6月の第21版WHO必須医薬品リスト

中絶薬「ミフェプリストンとミソプロストール」はコアリストに

World Health Organization: Model List of Essential Medicines 21st List 2019

WHOの定義によれば、「必須医薬品」とは「人々の優先的な医療ニーズを満たすもの」である。必須医薬品の選定基準は、「疾病の蔓延や公衆衛生上の妥当性に鑑み、臨床的な効能と安全性の証拠があり、妥当な価格であり、コスト効果が高い」ことである。WHOでは2年に一度、『必須医薬品リスト』を更改しており、現在は2019年の21版が最新版である。

WHOによれば、必須医薬品は機能している医療システムの文脈の範囲内で、常に十分な数量を、適切な剤形で、確かな品質で、個人や共同体が手に入れられるような価格で提供されるべきである。

ミフェプリストンとミソプロストール(mife misoと略されます)は、2005年のWHO必須医薬品リスト第14版から補完リストに入るようになり、2019年の第21版では補完リストからコアリストに移されました。

コアリストに入れられた必須医薬品は「専門的な診断や経過観察施設および/または特別なケアおよび/または訓練を必要としない」医薬品です。

なおミソプロストールは単独で2005年に陣痛誘導薬、2010年に不全流産の治療薬として補完リストに入り、2011年に分娩後出血(PPH)の予防薬、2015年に分娩後出血の治療薬としてコアリストに入っています。

Levonorgestrel 1.5mg(緊急避妊薬ノルレボの成分)も、2013年の第18版WHO必須医薬品リストの「18.3.1 経口ホルモン避妊薬」には掲載されていたことを確認しました。