リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

国際産婦人科連合(FIGO)がロックダウン中の女性や少女に対する暴力について警鐘

COVID-19の副作用が元々弱い立場にある女性たちを直撃

FIGOは5月14日のニュース「COVID-19 lockdowns leading to a rise in violence against women and girls(COVID-19のロックダウンのために女性や少女に対する暴力が増えている)」で、パナマザンビアカメルーンなどの具体例を挙げて、安全な中絶が不可欠であることを訴えた末に、次のように結んでいます。

数多くの産婦人科医や医療従事者たちは、どんな場合に中絶を行うことができるのか、たとえば「女性/少女の命や健康を救う」という言葉が具体的に何を意味しているのか明確にされていないことが危険な空白を残していると指摘する。中絶にまつわる法律が明確さに欠けていることも、全国的な中絶ガイドラインの不在と相まって、産婦人科医に対する敵対的な環境を生み出しており、そうした環境では、安全な中絶を実施することで、報復されたり逮捕されたりするのではないかと医師たちは脅え続けることになる。敵対的な環境は、安全な中絶を求める女性や少女たちに罪や恥の烙印を押し、沈黙させることになり、彼女たちの安全でない中絶や妊産婦死亡のリスクはますます高まる。

COVID-19感染が拡大するにつれ、女性や少女たちの暴力を受けずに生活する権利を守るための資源やサービスに急いで投資することがより多くの政府の緊急課題になっている。

さらに、女性や少女たちのリプロダクティブ・ヘルスケアは、優先課題とされなければならず、そこには避妊へのアクセスを保障することや安全な中絶を届けるテレメディシンなどの対策を実施することも含まれる。そうしたサービスはCOVID-19以前のオーストラリアなど一部の国々ですでに採用されているが、最近ではイングランドアイルランドスコットランドなどの国々でも採用されており、安全でない中絶や妊産婦死亡を回避するために大いに必要とされている解決策を提供しているのである。