リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

人工妊娠中絶手術の合併症に関する実態再調査

日本の中絶 いまだに搔爬が6割超

日本産科婦人科学会雑誌 Vo.73, No.12, pp.1746-1751, 2021
第73回日本産科婦人科学会・学術講演会 医会・学会共同企画 生涯研修プログラム9
人工妊娠中絶に関する最近の話題
3)人工妊娠中絶手術の合併症に関する実態再調査
高井泰*1 
中村永信*2

表1 全手術数に対する各手術方法の割合

            自然流産(n=41,346)   人工流産(n=64,383)
搔爬法         11,453(27.7%)      15,162(23.5%)
電動吸引法        5,375(13.0%)       18,693(29.0%)
電動吸引+搔爬法    11,953(28.9%)      24,045(37.3%)
手動吸引         9,572(23.2%) 4,532(7.0%)
手動吸引+搔爬法     2,993(7.2%) 1,951(3.0%)

これを搔爬法単独+搔爬法と吸引の併用、吸引のみ(電動+手動)で計算し直すと次の通り。

4,176施設にアンケートを送付し、1,706施設(40.9%)から回答を得た結果。

            自然流産(n=41,346)   人工流産(n=64,383)
搔爬法単独+吸引併用  26,399(63.8%)      41,158(63.9%)
吸引(電動+手動)単独 14,947(36.2%)      23,225(36.1%)

自然流産と人工流産の比率はおよそ2対3で意外と(?)流産が多いことに驚かされる。
なおこの研究では、診療所と病院の比較で、病院の方が搔爬の使用が多い傾向も明らかにしている。